CULTURE & LIFE
日本に恋したパリジェンヌ、クララ・ブランさんのお部屋を覗き見! 2階建てメゾネットに散らした“フレンチの混沌”とは? 【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.16】
「おしゃれな人のルームツアー」企画では、FUDGEにまつわる素敵なあの人の部屋にお邪魔して、ルームツアーを開催!「部屋」はその人の好みや性格を表す場所でもあり、普段見ることのできない場所だからこそ気になるところ。インテリアのこだわりや収納術、生活のアイデアなどをぜひ参考にして、あなたも自分だけの心地よい暮らしを叶えて!

第16回目ではパリ出身のモデル、クララ・ブランさんのご自宅を拝見。2019年から日本を拠点に活動を行い、現在は日本の伝統技術と西洋の絵画という文化を融合させたジュエリーブランド《ATELIER ROUGE(アトリエルージュ)》のプロデュースも務めるクララさんが住んでいるのはどんなお部屋?
Index
パリの少女は、13歳で日本に恋をした
「日本に興味を持ったのは13歳のとき。パリで《ヨウジヤマモト》のショーを観て、心を揺さぶられてしまって。その日をきっかけに日本に恋をしてしまいましたね」
大学時代には交換留学生として1年間日本で過ごし、その翌年には日本のファッションブランドでインターンとして勤務。一度はパリに戻り《ルイ・ヴィトン》本社の社員としてキャリアをスタートするものの、どうしても日本が恋しくなってしまったというクララさん。「日本に住みたい!」という気持ちに従い、就職活動の末、広告代理店「monpo Tokyo」へ入社。日本での生活を始めました。
「そこから今年で7年。『monpo Tokyo』ではプロデューサーとしてキャリアをスタートし、アカウントディレクターを務め、今年CEOに就任しました。13歳の頃の私では想像できない未来になっていますが、来日してからの毎日が今の私を作ってくれたんだ、と強く感じています」
覚悟を決めて住み始めた、2階建てのメゾネット
日本での生活はシェアハウスからスタートし、現在は2階建てのメゾネットタイプで暮らしているそう。

「1階にはリビング、キッチン、バスルーム、小さなベランダがあり、2階には寝室とクローゼットがあります。ちなみにベランダには私が“キャロライン”と呼んでいる木々たちが住んでいます(笑)」
モデルやCEOとして忙しい毎日を送りながら、料理やファッション、そして部屋での日常を垣間見せるSNS投稿や動画制作を行うクララさん。
「シェアハウス時代からSNSを本格的にスタートしたのですが、当時の生活スペースでは撮影に限界があって…。どうしようと悩んでいたときにフランスへ帰国する友人たちが今の家を紹介してくれたんです。これまでより家賃も高く迷いましたが『ここでなら全力でコンテンツを作れる』と思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちでこの物件に決めました」

最終的な決め手となったのは天井の高さと物件のマテリアルだそうです。
「フランスでは天井が高いほど格式がある家とされています。日本では希少なので、一瞬で惹かれました。また、木とコンクリートの組み合わせがとても上品で暖かく感じたんです。その空間にもとから置かれていたダイニングテーブルがより日本的な美意識を感じさせてくれました。そして美しい自然光が差し込むところもお気に入り。料理、美容、ファッションなどさまざな撮影ができる“角度”が家中にあるんですよ」
部屋づくりでは日本らしさに少しのフレンチをプラス
日本を愛する彼女は、家づくりでも日本的なエッセンスを欠かしません。
「私は日本のミニマリズムと北欧のあたたかさを掛け合わせた“Japandi(ジャパンディ)”の美学が大好き。日本の美意識は私にとって最大のインスピレーション源となっているし、北欧の暮らしの中にある自然素材や直線の美しさ、柔らかい光などは私の心をスッと落ち着かせてくれるんです。Japandiそのままでも素敵な空間になりますが、そこに私の根底にある“フレンチの少しの混沌”を足すのがマイルール。毎日忙しいので、生活空間に不要なものは置かないことが鉄則です」

家具は木とグレーを基調に最低限の色味で抑えつつ、フランス人らしく赤とネイビーの差し色をところどころに配置。「ただ、そんなミニマルな空間を作る一方で…」と続けます。
「ファッション、美容、靴、バッグなど、私の情熱に関わるものは少しのカオスが必要(笑)。クローゼットやシューズクローゼットの中には、扉を閉めればJapandiの世界に戻れるような『隠せるカオス』を潜めています」
クローゼットは隠された大きなカオス
クララさんにとって自分だけのカオスな空間がクローゼット。今回はその収納と、クローゼットのマイベスト3を教えてもらいました。

「生活空間はミニマルが好みですがファッションは気分で楽しみたいので、綺麗に並び過ぎていると逆にインスピレーションが湧かなくなってしまう。偶然隣り合ったアイテムから新しいコーディネートを思いつくこともあり、私にとってクローゼットは“創造の場”でもあります。ただ、一応『年に1度の大掃除で1年間着なかったものは別の場所へ』『2年着なかったものは譲るorリサイクル』というルールだけは守るようにしていますね」
クローゼットのベスト3
①《アトリエルージュ》×《Tabi(タビ)》の「夜曲セイルスカーフ」

「万能でどんな服にも合わせやすい。そして巻き方次第で雰囲気が変わるので、困った日でもこれさえあれば、コーディネートがばっちり決まります」
②《アトリエルージュ》の「エフォートレスドレス」

仕事でもパーティでも着ることのできる完璧なブラックドレス。女性の身体を最も綺麗に魅せられるラインになるよう細かくデザインした自信作です」
③《セリーヌ》のバッグ

「今年CEOになった自分へのご褒美としてパリで購入。オフィスバッグとして毎日会社に持っていく相棒です」
素材にこだわり、ごちそうをラクに作る
ファッショナブルなだけでなく、料理上手な一面も。SNSでの料理投稿も人気です。リビングの隣にある広々としたキッチンからお気に入りをピックアップしてもらいました。

「いちばんのお気に入りはオーブンです。野菜や肉、魚を並べてスパイスをかけて放って置くだけで、ほぼノーオイルなのに美味しくて健康的な料理ができあがります。そういった料理は洗い物が少ないのも最高。《ティファール》の取っ手がとれるフライパンも愛用していますね。収まりがいいので収納がラクなんです。すべて赤色で揃えています」

そして、美味しい料理を作るコツは「難しい料理はしないこと」だといいます。「代わりに、素材の質にはこだわります。千葉で農業を営む友人タニアが作る野菜はすべて無農薬で本当に美味しいので、手を加えなくてもごちそうになるんです。よく使う調味料はアメリカのグロサリーストア『Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)』やパリのボン・マルシェ百貨店の食品館『La Grande Épicerie(ラ・グランド・エピスリー)』で買ったスパイスたち。どの食材にもふりかけるだけで美味しくて栄養のある料理が完成します」

そんな彼女が最近作った料理の中で一番美味しかったのは、タニアさんのバターナッツカボチャを主役とした「ハニーチーズ・ローストバターナッツ」のようです。「半分に切って種を取り、チーズとハチミツ、ナッツを乗せてオーブンでじっくりと焼き上げるだけ。トロトロで甘くて、冬にぴったりの優しい料理です」
東京とパリの暮らしの違いは?
「パリは築100年以上の建物が多く“とにかく古いけれどとても味がある”ことが特徴です。私が住んでいたのは、19世紀パリの建築様式『オスマン建築』の家でした。木の床や美しい天井や壁の装飾、各部屋に暖炉があったりと、クラシックな魅力がたくさんありました。ただ、古いからこそエレベータがなかったり、水周りが弱いなどの不便な点も多くあります。対して東京の家はより機能的で住みやすい。一般的に東京の家は狭く収納が少ない、と言われますが、最終的には予算次第ですよね。それはパリも同じ。どちらにもよさがあって、どちらも私は大好きです」

日本に住み始めて9年。今年永住権も取得し「これからも日本を拠点に生きていくつもり」なクララさんの、今後のお部屋づくりについても聞いてみました。

「あまりものは増やしたくないのですが…陶器の器やマグカップ、花瓶は例外です。気分によって使い分けられるし、部屋の雰囲気も簡単に変えることができるので、コレクションするのが楽しくてやめられません。そうそう、お花も置いておきたいですね。儚く散ってしまうからこそ空間に“物語”を生み出してくれます。あとはできれば家のアートも増やしたいのですが…どこに置くのかは永遠の課題ですね(笑)」

クララ・ブラン
モデル、「monopo Tokyo」CEO、〈アトリエルージュ〉ディレクター
パリ生まれ、日本在住。日・英・仏の3ヶ国語を操るトリリンガル。パリのルイ・ヴィトン本社にて勤務し、デジタルコミュニケーション部でソーシャル・Webなどのコンテンツ制作のプロジェクトマネージメントを担当。その後日本へ拠点を移し、広告代理店「monopo Tokyo」にて、プロデューサーからキャリアをスタートし、2025年にはCEOに就任。
2021年には自身のアクセサリーブランド《アトリエルージュ》を発表。美濃焼職人の技とフランス・ミニマリストの美学を融合させた作品を製作し、現在は日本各地でポップアップストアを開催している。著書に「フランス人だけが知ってる、我慢しない生き方」(KADOKAWA)がある。Instagram、TikTok、YouTubeで日々発信を続け、フォロワーは合計90万人を突破。
Instagram:@klara_blanc
YouTube: クララ ブラン・Klara Blanc
text_Hasagawa Nozomi
edit_Yanase Rei
編集部のおすすめ記事もチェック
▶︎北欧・デンマークの学生寮をルームツアー。約6畳のワンルームで作る“ヒュッゲ”な暮らし。【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.15】
▶︎パリジェンヌが暮らす築180年のアパルトマン。古道具が彩る、シックな二人暮らし【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.14】
▶︎気になるオーストラリアの家探し事情。メルボルンのヴィンテージハウスで暮らす、長澤メイのお部屋とは?【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.13】
▶︎かわいいあの子の本棚を拝見!文庫本のためのDIY本棚に、夏のリーディングリストまで。【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.12】
PICK UP !
-
( FASHION )【FUDGE FRIEND】オフィシャルガール二期生が加入してパワー...
-
( FASHION )大人気につき追加生産決定!FUDGE FRIEND・UMIとつくったニッ...
-
( CULTURE & LIFE )《HOKA》とコラボしたランニングイベントを1月17日に東京・渋...
-
( FASHION )本日発売!『FUDGE』2026年1月号は『 PARIS&LONDON お手本...
-
( WORLD SNAP )ファッション、ヘアスタイル、アクセ、すべてにこだわりを感...
-
( FASHION )この秋に超おすすめ!白シャツ×デニムのショートパンツのコー...
-
( CULTURE & LIFE )カラダやお肌の不調を改善したい!とっておきのご自愛方法4選
-
( kiitos. )〈product〉の人気ワックスがメイクバームに
RANKING
FUDGE CHOICE
-
《イプサ》のセラム アクティ...
-
《HOKA》とコラボしたランニ...
-
MY COLOR、MY DAMD!《ダムド...
-
厚底と薄底がデビュー!《ア...
-
PARIS & LONDON STREET ...
人気のキーワード
PRESENT & EVENT
\スペシャルツアー/ 【HOKA × FUDGE RUN CLUB EVENT TOUR vol.3】 1月17日に一緒に走る仲間を募集‼︎ パフォーマンスブランド《HOKA(ホカ)》とFUDGEランニング部がタッグを組 […]
編集部から配信されるメールマガジンやプレミアム会員限定プレゼント、スペシャルイベントへの応募など特典が満載です。
無料でご登録いただけます。






































