CULTURE & LIFE
パリジェンヌが暮らす築180年のアパルトマン。古道具が彩る、シックな二人暮らし【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.14】【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.14】
「おしゃれな人のルームツアー」企画では、FUDGEにまつわる素敵なあの人の部屋にお邪魔して、ルームツアーを開催!「部屋」はその人の好みや性格を表す場所でもあり、普段見ることのできない場所だからこそ気になるところ。インテリアのこだわりや収納術、生活のアイデアなどをぜひ参考にして、あなたも自分だけの心地よい暮らしを叶えて!

第14回目では、FUDGE.jpの連載「夢見るパリ」を執筆しているパリ在住のカリグラファー、竹内仁海さんのご自宅を拝見。在仏15年目を迎えた竹内さんが住んでいるのはどんなお部屋?
Index
古いほど愛おしい。築100年越えは当たり前なパリの住宅事情

職場の近くを条件に現在の物件を決めた竹内さん。二人で暮らす部屋の間取りは1LDKで、築年数はなんと180年。日本では考えられませんが、パリには100年以上前に建てられたアパルトマンが多く健在しているようです。
「剥がれかけた漆喰の壁に鉄のバルコニーの装飾、アパルトマンの木の床。古びた質感が好きなので、パリの物件にはかなりときめき感じますね。手作り感のある部屋を目指しているので、壁にペイントをしたり、家具の取手を付け替えたり、タイルを埋め込んだり。生活の中で少しずつ模様替えを楽しんでいます」

パリ生活は今年で15年目に突入。今だにフレッシュな気持ちでその暮らしを楽しむ竹内さんに、部屋づくりのインスピレーションを訪ねると「街並みから影響を受けることが多いです」との返答が。
「パン屋のショーウィンドウからカフェの黒板メニューまで、すべてが絵画のように配置されていて、街全体がギャラリーのよう。毎日ちょっとした芸術祭を楽しんでいる気分でいます」
また、部屋づくりで一番こだわっているのは、光の取り入れ方だと続けます。
「光が反射するように大理石のテーブルを窓際に置いたり、鏡を窓の向かいに設置しています。夜になると今度は、街全体がオレンジ色の街灯に照らされるんです。その様が本当に素敵なので、日が暮れてきたら強い照明は使わずに、ランプやキャンドルを灯します」
毎日が宝探し。家具は蚤の市や古道具店でゲット
「掘り出し物を見つける喜びは宝探しのよう」と、家具やインテリアは蚤の市や古道具屋などで収集しているようです。今回は収集した中からとっておきのアイテムを教えてくれました。
日本の職人さんによるカゴのジュエリー入れ

日本の職人によって作られたというジュエリーケース。「埋め込まれている水色の生地は、18世紀に誕生したフランスの伝統的な『トワルドジュイ』。友人からのプレゼントで、アンティーク時計を入れています」
ハープの装飾入りの椅子

「ハープの装飾がある小さな椅子に一目惚れ。エルメスのインテリア部門で働く方のコレクションから買わせていただきました。〈ルーブル美術館〉にも展示されているナポレオン3世時代の椅子です」
イタリア・デルータの燭台

「イタリアのデルータという、陶器づくりで知られる村で購入した燭台です。小さく華奢で細い手作りキャンドルがぴったり」

その他、タイルや額縁といった雑貨のコレクションも見せてくれました。パリの街だけでなく、旅先でも収集しているそう。思い出として、一つの作品を作り上げることもあるようです。
「シチリア島にはチェファルという小さな村があって。その海辺で集めた思い出の貝殻でコラージュを制作しました」
そして、今回は数々のコレクションの中からお気に入りの器をベスト3形式で紹介してくれました。
お気に入りの器ベスト3
①〈Astier de Vilatte(アスティエ・エ・ド・ヴィラット)〉の器

「カップ類、小皿、花瓶など、数種類持っています。繊細でとても壊れやすいのですが、金継ぎしながら使い続けています」
②〈Longwy(ロンウィ)〉のケーキスタンド

「パリのアンティークショップ〈Blanche patine(ブランシュ・パティーヌ)〉で見つけたもの。ロンウィ窯の刻印があるので、19世紀後半〜20世紀初めにフランスで使われていたものです。キッチンに置いていて茶道道具を置いています。
ロンウィは 1798年創業のフランス東部ロレーヌ地方の歴史ある窯元。特に「terre de fer(鉄の土=アイアンストーン)」と呼ばれる丈夫な白陶器や、美しい色釉を用いた作品で知られています。
③ヴェネチアングラス

「イタリア人の友人が主催するイベントで購入したものです。鮮やかな色、手書きの装飾と華奢なデザインに惹かれました」
季節の花で、生活に彩りを
そして竹内さんはインテリアへのこだわりと同じくらい、暮らしの中で「お花」を大切にしているそう。常に飾ることで、部屋だけでなく生活にも彩りを与えてくれる存在です。

「春にはチューリップやスイートピー、夏には瑞々しいグリーンや向日葵、秋は紅葉やダリア、冬は凛とした白い百合。人が集まる時は大きなブーケを組んだり、近所のマルシェで買った1束をそのまま飾るとこもよくありますよ」
パリでの生活は“待つこと”の連続
「パリで暮らしていると、日本とは違った文化がたくさんあります。中でも“待つ”ことを楽しむ感覚を持っていることには驚きましたね。カフェへ行くと一杯のコーヒーをゆっくり、時間をかけて飲んでいるんです。日本はもっと忙しなく時間が過ぎてしまいますよね。そういった日々の小さな出来事で時間の使い方の違いを強く感じます。とはいえ、行政の手続きの遅さには悩まされていますけどね…!」

自らの手を加えて部屋をさらに愛おしいものに変えていく竹内さんの姿からは、パリの美しい街並みと文化へのリスペクトも伺えました。

そんな竹内さんが暮らしの美学を届けてくれるFUDGE.jpの連載「夢見るパリ」がデジタルブックになって販売決定!
10/25(土)発売開始予定なのでぜひチェックして。
▶︎『FUDGE.jp Spin-off Book 夢見るパリ』をチェック!

竹内仁海
カリグラファー
パリ在住15年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。
Instagram:@melodiesgraphiques
text_Hasagawa Nozomi
edit_Yanase Rei
編集部のおすすめ記事もチェック
▶︎イギリス風パンケーキと、アイルランドの紅茶でティータイム【sumire.のおいしいヨーロッパごっこ vol.1】
▶︎かわいいあの子の本棚を拝見!文庫本のためのDIY本棚に、夏のリーディングリストまで。【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.12】
▶︎築50年、二人暮らしの2LDK。おしゃれなキッチンには《無印良品》や作家モノの器がずらり。【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.10】
▶︎【一軒家のおしゃれな台所】《野田琺瑯》など「買ってよかった」3つのキッチン道具とは?【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.8】
▶︎【築50年団地×一人暮らし】映画「かもめ食堂」がお手本のレトロなキッチンがおしゃれ【FUDGE おしゃれな人のルームツアー vol.7】
PICK UP !
-
( FASHION )初心者が買うべきランニングシューズは《アシックス》の「GEL...
-
( FASHION )本日発売!『FUDGE』2025年12月号は『 All About Cats ネコ...
-
( FASHION )【FUDGE FRIEND】オフィシャルガール二期生が加入してパワー...
-
( CULTURE & LIFE )10月がスタート!2025年下半期、射手座の運命は?信頼できる...
-
( FASHION )今、密かにアツいのがホワイトデニムが主役のコーデです
-
( CULTURE & LIFE )やっと行けた!コロナ後の台湾旅行事情 「久しぶりの士林夜市...
-
( WORLD SNAP )レザーパンツでスタイルにCOOLなパリジェンヌスタイル
-
( FASHION )アニエスベー本人の手書き文字が躍る腕時計。《アニエスベー...
RANKING
FUDGE CHOICE
-
足元のおしゃれが楽しい季節...
-
北欧発《アラビア》の食器と...
-
スープに恋するあの子の行き...
-
《 H.P.FRANCE 》 40th Anni...
-
That “BERING《ベーリ...
人気のキーワード
PRESENT & EVENT
\初心者&一人参加歓迎!/ 【FUDGE RUN CLUB supported by IPSA】 11月30日(日)に一緒に走る仲間を募集中 FUDGE.jp読者限定の人気企画「オトナの部活動【ランニング部】」。その第1 […]
編集部から配信されるメールマガジンやプレミアム会員限定プレゼント、スペシャルイベントへの応募など特典が満載です。
無料でご登録いただけます。






































