茶道の先生のお宅にお邪魔、パリに居ながらにして和の文化を感じます【夢見るパリ】 | コラム | カルチャー & ライフ | FUDGE.jp

CULTURE & LIFE

 

毎年1月にはパリの茶道関係者の合同の初釜がありますが今年は中止になり、茶道の先生宅の少人数の初釜にお招きいただきました。

 

 

初めてお茶事に誘われたのが20過ぎの頃、京都 祇園の老舗のお茶屋「富美代」さんでした。

その時の招待者は世界で活躍されている方々ばかり。皆さん茶道に精通しておられて、丁寧で美しい所作は今でも鮮明に覚えています。お茶室での経験したことのない凛とした空気、美しい懐石料理、有名な芸妓さんにお酌してもらい、芸妓さんたちの優美な演舞を見て非日常の空間と時間を過ごして、まさに一期一会の経験でした。

 

 

それから東京で茶道を習い始めましたが、世界の第一線で活躍する女優さんやモデルさんが多忙の中合間をぬって本格的にお稽古されて人間としての格を上げていく様を目の当たりにしたのでした。

私も日本人としての精神性のレベルを上げるべく、パリでも茶道を続けています。

 

 

先生のご自宅に伺い待合の部屋に入ると、太陽の掛け軸と鏡餅の置物が設えてあり、日本を連想させます。

 

 

本席の床飾りでは柳の枝と椿が飾られ、結び柳となっていました。
香道も勉強されている先生から「聞香」の説明があり、まず香炉に入れた香木の香りに心を傾けて聞きます。

 

 

その後、能のおめでたい演目、「高砂」を拝見できました。こんなに間近で観たのは初めてで迫力満点。

松が重要なテーマとなっているこの祝言歌。御軸はそれに合わせて先生がお選びになったのでしょう。「松 風 淡 味 天 地 美」と書かれていました。

 

 

お料理は日本の食材やお雑煮などで日本を感じることができて、先生のおもてなしの心に感謝しました。

1月限定の和菓子の花びら餅は、元々宮中行事から生まれた物で、古い時代の新年の寿ぎのための材料から出来ています。花びら餅の構成は外側の餅の中に淡い紅色の餅と味噌あん、そして甘く味付けしたごぼうと不思議な組み合わせ。
表の白いお餅からほんのり透ける紅色の餅が確かに花びらを思わせます。

先生は京都の「老松」4代目当主の太田さんからの直伝レシピで作られたそう。作るのは難しいらしく、日本に一時帰国された際に練習してこられたそうです。濃茶は本来なら一椀を飲み回しますが、今回は衛生面を考慮して各服点てでした。

雪がちらちら降る寒い中、皆さん着物姿でいらっしゃっていて華やかでした。

 

 

そしてフランスの1月のお菓子と言えばガレット・デ・ロワですが、もちろん沢山食べました。

毎年自分で作っていましたが、今は多種多様のガレットが各メゾンで売られているので色んな味を食べ比べてみたい!

 

ピエール・エルメのレモンと蜂蜜とオレンジフラワーの風味、オー メルヴェイユはラム酒が効いたガレット トロペジェンヌ。
トゥール ダルジャンに隣接するブーランジュリー・ド・ラ・トゥールではクラシックなガレットを。

 

あっという間に1月が終わり、また来年のお楽しみです。

 

 

text:竹内 仁海

パリ在住8年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。

Instagram:@melodiesgraphiques

 

 

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