CULTURE & LIFE
神楽坂の雑貨屋「jokogumo」へ行ってきました。

自分が暮らしの中で使うものは、できるだけ「なぜそれを選んだのか」を納得してから買うようにしたい。そんな当たり前のことに気づかせてくれた、神楽坂の雑貨屋「jokogumo(よこぐも)」をご紹介します。
古くから東京の中でも有数の花街として賑わっていた、歴史ある街「神楽坂」。現在も、街並みにその名残がありながらも、新しいスポットもでき、その人気は健在。一方で、新宿区という住所からは想像がつかないほど、落ち着いていてどこかのんびりもしていて、居心地の良い街でもあります。

神楽坂のメインストリートから1本入ったところ。緑が多く、静かです。
この神楽坂で10年ほど前からこの地に根をはる雑貨屋さんがあります。それが今回ご紹介する「jokogumo(よこぐも)」。よこぐもとは、夜明けの東の空に棚引く雲のこと。
昔の和歌によく詠まれていた言葉です。「美しい空と、それを眺める心の余裕。どちらもずっと、大切にしたいもの。」という想いを込めてつけられました。

淡いブルーの扉が目印です。
お店を始めたのは、店主の小池梨江さんが、幼いころから環境問題について興味があったことがきっかけでした。地元の香川にある、産業廃棄物の不法投棄事件により苦しんだ島で開催された、「ごみ問題」について考えるワークショップに参加したことで、その意識はより身近なものになっていったといいます。

店主の小池梨江さん
しかし、ごみ問題を直接的に声高に叫んでも、共感してくれる人は少ないだろう。そう考えてまず始めたのは、「土に還るもの」を基準として、自然素材でできた食器や雑貨を販売する、Webショップでした。
小池さん:「捨てることを前提として買うのではなく、できるだけ長く使うことができ、使っていて気持ちがいいと、自分が心から思えるものだけを集めています。物を通じて、自然のものを生活の中に取り入れる、きっかけづくりができたら、と。」

茶こしも、ステンレスではなく、竹を編んだもので。お茶を大事に淹れる時間になりそうです。
けれども、小池さんと同じような価値観で商品を見に来てくださる方の中から、「できれば手に取って、実際に素材や個体差を確かめて見てみたい」という声が次第に多くなり、実店舗のオープンに踏み切りました。

大きな窓から差し込む光が気持ちの良い空間です。
元は同じ神楽坂にある3坪ほどの小さな店舗からスタートし、物が多く手狭になったことをきっかけに、現在の場所へ移転をしました。通りすがりの近所の方から、職場が近くにある方など、様々な方がこの店を訪れています。
小池さん:「お店で販売しているものの中には伝統工芸品など、値段のはるものも多くありますが、敷居が高いお店にはしたくなかったんです。いまは珈琲やタワシ、靴下など、数百円から買える、日用品なども置くようにしています。」

珈琲は、小池さんの地元、香川から取り寄せているもの。この珈琲を買うだけに訪れる方も多いそう。
この日店内にあったのは、漆を使った食器や、竹を編んで作られたカゴ、そして久留米絣(くるめがすり)という九州の織元が作っている布を加工して造られた、バッグやスカートなどの衣料品など、様々なものがありました。商品ひとつひとつに、小池さんがなぜそれを「選んだのか」という背景があるものばかりです。

漆を使った食器が並んでいます。

久留米絣は、このかすれたような模様を出すことが特徴。

久留米絣の布を加工したバッグ。布だけでは手に触れることがなかったものも、こうしてバッグとなって形を変えると、手に取りやすい。
中でも漆塗りの器は、プラスチック素材などに比べると熱伝導が圧倒的に少なく、口当たりも良いため、初めて買って使ったみた方は、その使い心地の良さに驚くといいます。手に取ってみると、たしかに丸みがしっかり手になじみ、木のあたたかみが感じられます。

また商品の仕入れは、主に東北方面へ行くことが多いのだそう。
小池さん:「東北は工芸品を使うという文化が、当たり前のように暮らしの中に残っているんですよね。特に冬になると竹細工などを作る方が多いため、あえて冬に仕入れに行くことがあります。街の中で売られているものを見に行き、そのまま実際に作っている方のところまでお邪魔することもあるんです。」

こちらはモロッコで作られている工芸品。持ち手もしっかりしていて使い心地がよさそう。
*
◆こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より
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