CULTURE & LIFE
醤油発祥の地、タイムスリップしたかのような心温まる懐かしい街並み「和歌山県湯浅」
世界無形文化遺産に登録されている和食の代表的調味料ともいえる「醤油」。和歌山県湯浅は醤油発祥の地と言われています。かつては100軒近くもの醤油屋が立ち並んだこの辺り一帯は重要伝統的建造物群保存地区として国の指定を受けている地域。
今から775年前の鎌倉時代、禅僧覚心(後の法燈国師)が宋(現中国)より金山寺味噌の製法を伝え、後にこの金山寺味噌の醸造過程で生じる樽の上に溜まった野菜の水分に湯浅の町の人々が改良を加えて出来たのが醤油の始まりなのだそう。

そんな風情ある街並みの中に、なんと183年もの歴史を重ねた天保12年からの醤油蔵、角長本店があります。

今も昔ながらの製法で作られており、こだわりをもって老舗としての歴史と伝統を守り続けています。

本店近くにある角長職人蔵は、慶応2年に建った80平方米の仕込蔵を資料館にしたもの。道具類は全て醤油製造に使用された器具。当時使われていた資料もたくさん残されています。

最後の一滴まで大切に。183年という歴史を重ねたこだわりの「手づくり醤油」
角長の蔵は、天井や梁や桶など一面に醤油製造に絶対不可欠な酵母が白く付着しています。「蔵付き酵母」これこそが角長最大の宝であり、美味しさの秘密なのだそう。
早く大量にはできない昔ながらの手づくり醤油は、芳香な香りと濃厚な味が特徴。原料も吟味し、岡山県産大豆・岐阜県産小麦を使用。仕上げは赤松の薪をくべた和釜で半日以上かけてじっくりと炊き上げ、まろやかでこくの深い湯浅醤油本来の風味を醸し出した本醸造濃口醤油です。そしてこの湯浅の醤油はどんな料理にも合い、毎日の食卓を贅沢に引き立ててくれるのです。

こちらは「濁り醤(左)」と「湯浅手づくり醤油(中・右)」。「濁り醤」は圧搾も加熱もせず、麹が原料を分解してできた汁のみを取り出す、人の手を全く加えていない醤油。酵母の影響で通常の醤油に比べ少し濁った色になっている、角長とっておきの商品です。

「湯浅手づくり醤油」の丁寧に包まれた包装紙をそっと開くと、歴史を感じるデザインが現れます。ラベルもレトロで歴史を感じます。こんなラベルの醤油があるキッチンは美味しい料理が出てきそう、、と妄想が膨らみ、お土産に数本購入。

本店で購入すると、その歴史を感じる空気に気が引き締まる思いがします。
長い年月、続けて作ってくれてありがとうございます。そしてこれからも作り続けてほしい。そんなことを考えながら、実食。想いのこもった商品はさらに特別美味しく感じます。最後の一滴まで、大切にいただきます。
身近な日本の軌跡と奇跡。旅するデザイナーrumiのInstagram。
@find_rumi
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