私のアイスの記憶~『アイスの旅』発売に寄せて~【甲斐みのりの隙間の時間】 | コラム | カルチャー & ライフ | FUDGE.jp

CULTURE & LIFE

 

6月の初旬に、約1年ぶりとなる著書『アイスの旅』を発売しました。

 

アイスクリーム、ソフトクリーム、かき氷、アイスケーキ、喫茶店やレストランのアイスメニュー、個人商店で作っているもの、地元のコンビニやスーパーでも買えるもの、東京の名店、取り寄せできるもの、現地でしか食べられないもの、店の閉業で今はもう食べられないもの……本の中では、あらゆる「冷菓」を紹介しています。

 

手みやげにも喜ばれる「近江屋洋菓子店」のソフトクリーム。

 

アイスケースにぎっしりソフトクリームがおさめられた様子も なんとも愛らしい!

 

長年使われている包装紙。 3代目の知り合いの娘さんが、美大時代に制作したイラスト入り

 

現在使われている近江屋洋菓子店の店舗は昭和41年の築

 

東京でもの書きの仕事を始めた20年前、取材や作業になかなか慣れず、失敗ばかりの日々。

自分の不甲斐なさに胸を痛めたり、先々の不安から肩を落としたり。そんなとき、落ち込む私を救ってくれたのがアイスでした。

 

ときに深夜になることもあった、仕事終わりの帰り道。

コンビニへ立ち寄り、アイスを一つ選びます。

冷たくて甘いアイスを食べるうちに、気持ちは次第に温かくなり、負の気持ちを平たくならすことができました。

そのうちそんな習慣を「アイスクリームの鎮痛剤」と名付け、アイスを糧に山や谷を乗り越えました。

 

青梅街道沿いの「宮野乳業」にたくさんの人がやってきます

 

「宮野乳業」のソフトクリーム。クリーミーでなめらかな舌触り。

 

アイスクリームの鎮痛剤にお世話になった時代は幸いにも数年のみ。

その後は純粋に、旅先や日常の中で、アイスを味わい楽しむように。

 

ホームミルク杉並

 

私が好きなアイスは、長い間その土地に根付くもの。

戦前からモダンで珍しい贅沢品としてアイスを提供していた店や、戦後の食糧難の時代にアイスキャンデー屋として創業した店、その地方では誰でもが知る袋アイス、給食用に生み出されたものなど、さまざまなタイプがあります。

どれも、その姿も愛らしくて、撮影しながらうっとり惚れ惚れ、アイスの魅力にのぼせあげていました。

 

これから始まる本格的なアイスの時期。地元で長らく愛されるアイスを冷凍庫に常備したり、まだ味わったことのないアイスを求めて旅に出たり、存分にアイスを楽しんでいただけますように。

 

 

アイスの歴史や、店ごとの物語、ロゴやキャラクターページもあり、ページをめくりながら涼やかな気持ちになれるはずです。

 

 

text:甲斐 みのり

 

 

◆こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より

 

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