CULTURE & LIFE
歴史遺産を体感できる日本でも珍しい美しい要塞島、友ヶ島。
調べてもあまり情報が出てこない場所に興味があり、よく小さな離島や廃墟、秘境、遺跡などを旅しています。新型コロナウイルスのこともありしばらくの間、島旅はお休みしていましたが、久しぶりの離島へと思い立ち、今回はずっと前から行きたいと思っていた瀬戸内海国立公園の紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」に。
のりばへの階段を発見。え、まさか、ここ!?という狭い階段と通路に早速ドキドキ。
ワカメを運ぶ漁師さんの後をついていきます。漁師さんは身体ひとつギリギリの通路を慣れた様子で進んでいきます。
沖ノ島(おきのしま)・地ノ島(じのしま)・虎島(とらじま)・神島(かみじま)、この4島を総称して「友ヶ島」と呼ばれています。戦前の砲台跡や要塞施設が点在し、照葉樹林が広がり様々な生きものなどが生息する自然の宝庫とも言われています。一方、砲台跡や廃墟群が「まるでアニメの世界」と言われていて、廃墟好きやアニメファンからも人気の島なのです。また、釣りや簡単なトレッキングを楽しむこともできます。和歌山市の加太港フェリー乗り場から約20分で到着。大阪からもアクセスのしやすい無人島で、人気の観光スポットでもあります。
友ヶ島の沖ノ島に上陸。予想していたよりも青い海が待っていました。
小さな小窓からは「いらっしゃいませ!バナナジュースをどうぞ」なんて女の子が顔を出しそうな。あたたかく、のどかで静かな時間がゆっくり流れています。
沖ノ島は、約600人の兵隊が駐屯する旧日本軍の要塞施設として使われていた島で、島内には当時の面影を残す廃墟が数多く点在します。明治時代から利用され、第2次世界大戦が終わるまでは、一般の方の立ち入りは禁止されていました。島内には大戦中の施設も多く残され6カ所の砲台跡のほか紀伊防備隊の海軍聴音所、弾薬庫、軍馬舎、将校官舎なども当時の面影をそのまま伝えてくれます。
耳をすますと鳥の鳴き声、風と波の音。トレッキングを楽しめる島内の歩道はほとんどがかつての軍用道路のままで、舗装されていない自然とともに存在し続ける道を歩くことが出来ます。
隣にはすぐ目の前に淡路島が。絶対無理だろうけど、島って、頑張って泳いだら向こうへ渡れそうな気がしてくる。
第3砲台跡。友ヶ島の最主力砲台として建設されました。全周360度を射撃でき、紀淡海峡防備のための主要な施設だったとされています。日本に残る砲台跡の中でも特に保存状態が良く、映画やアニメの世界のようで人気のスポットとなっています。
実はこの島が要塞として力を発揮する時は訪れず、砲台をはじめとする施設は使われることなくその姿形を残したまま眠りにつきました。ツタや苔に覆われ、長い年月が過ぎ、今こうしてまた眠りから覚め、人工物と自然とのアートを見るかのように人が訪れるように。非日常的で神秘的な雰囲気を体感できると共に、その昔この国でも戦争があったことを教えてくれます。
フェリーの運航時間は季節によって変わりますが、連休などは臨時便も出ます。フェリーの定員は100名程度なのでタイミングによっては整理券で次の便まで待たないといけないことも。港へは早めの到着をオススメします。
常に一家に一個、常備しておきたい喜びがみっちり詰まっている味付海苔 友ヶ島。
さて、友ヶ島に来たのだから友ヶ島のお土産をご紹介!と言いたいところなのですが、友ヶ島は無人島。小さなカフェは1軒ありますが、お土産売り場のような売店らしきものは見当たりませんでした。これは困った。加太港に戻り、「友ヶ島 お土産」で検索してみると、むむむ、何やら気になるものを発見!その名も、友ヶ島海苔本舗の「味付海苔 友ヶ島」。マップで検索してみると港から近い!早速店舗へ行ってみることに。
車が通れる気がしない小さな道を歩き進むと、何やら普通のお家のような。よく見ると入口には「友ヶ島海苔本舗」という文字が。エ、こちらですか?と、おそるおそる扉をあけると、玄関には山のように積まれた海苔が!
それがこちら!どーーん。大きい。
どのくらいって、このくらい大きいのです。
レトロでかわいい蓋。
ワクワクしながらパカ!と、開けると、みっちり海苔。え、ていうか、すでにちょっとはみ出てる。
正直ちょっと取り出しづらい。入り口の端によって、無情にもバリバリ崩れる。ああ、、ああああ。
そおっと、そ〜〜っと。
しかし、これ、味付き海苔ですよ!大きい!バリバリ!濃い目の甘口!この厚み!これは美味しい!止まらない。
日本全国様々なお土産を探し歩いておりますが、こんなに大胆に夢をかなえてくれる味付き海苔は見たことがありません。少量生産とのことで、出会ったらためらわず購入すべし。友ヶ島という島も個性的で面白い島ですが、味付け海苔まで個性的!大きな容器に入っていたのに、エ!という間になくなりました。常に一家に一個、常備しておきたい喜びがみっちり詰まっています。
身近な日本の軌跡と奇跡。旅するデザイナーrumiのInstagram。
@find_rumi
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