CULTURE & LIFE

 

青森県はアートミュージアムがたくさん!「記憶を継承」する弘前れんが倉庫美術館へ

お仕事に合わせて、去年の夏にグランドオープンした弘前れんが倉庫美術館に行ってきました。ずっと行きたいと思っていた美術館の一つです。コンセプトは「記憶の継承」。地域のクリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)となるために、近代産業遺産である煉瓦倉庫の記憶を未来へ継承し、建築と共振し人々の創造性を喚起する作品を通じて新たな空間体験を創出しています。

 

美術館の大きな特徴は煉瓦造りの建物です。明治・大正期に建設された元シードル工場「吉野町煉瓦倉庫」を改修したもので、建築設計は世界で活躍する建築家、田根剛氏が手がけました。高度な耐震補強と既存の煉瓦壁を内外無傷で保存する設計となっていて、できるかぎり煉瓦倉庫の素材を活用することにより建物の記憶を継承し、未来へと受け継がれていく建築に仕上がっています。光の角度によって表情が変わる上品なシードル・ゴールドの屋根は、美術館のシンボルとなり風景に彩りを与えています。

 

倉庫らしさを残しつつも、しっかりアートを引き立たせる巨大な空間に圧倒。その正体はコールタールの黒い壁面ではないかと壁に注目をしました。倉庫時代に、防虫・防腐の目的でコールタールが使用されたというのです。ホワイト・キューブの展示空間とは対照的に、黒く、ザラっとした質感のあるこの壁面は、美術館の大きな特徴のひとつ。

 

青森県は他にも青森県立美術館や十和田市現代美術館、青森公立大学国際芸術センター青森など、ユニークな美術館の宝庫。11月3日には八戸市美術館がリニューアルオープンしました。本当にアート好きにはたまらない県です。

 

まさに究極の和菓子!息を飲むほどの美しさと薄さの「竹流し」

美術館の帰りに寄ったのが究極の和菓子を作る「大阪屋」。弘前だけど「大阪屋」。寛永7年(1630年)に創業し、約380年の歴史を持つ東北でも指折りの老舗の和菓子屋です。金色に輝く看板、どこかお城のような建物。凛とした空気をお店の佇まいからも感じられます。

 

私が究極の和菓子と言ったのが、こちらの「竹流し」。シンプルで上品な包装紙と懐かしいグラシン紙、のし紙と、とても丁寧に包まれていました。なかなか究極の和菓子にはたどり着かせてくれないこのガードの固さ。こちらも開けるのに気が引き締まる思いです。

 

なんて上品で美しいデザインのブリキ缶なんでしょう。これは取っておきたくなります。

 

なんとご丁寧に説明書きとお店のご案内が。その下には再びグラシン紙。どんなお菓子が出てくるのかドキドキします。

 

最後のベールの先には驚きのビジュアルのお菓子が、ぎっっっっしりと、とても美しく並んでいました。こ、これはすごい。さかのぼること240年ぐらい前、4代目が安永2年(1773年)に作り出した、ほのかな蕎麦風味とパリッとした食感の、素朴の中に品を感じる煎餅とのこと。有難すぎるお菓子です。隙間にまでしっかり詰め込まれているところに、どこか愛情と思いやりを感じます。

 

しかしこのお菓子、ぎっっちり詰め込まれていて、どう取ったらいいのか悩みます。そっと取らないと割れそう。でもそっとだと取れない。でも割れそう、、。なんてやっているうちになんとか1枚、また1枚と取り出すことができました。

 

それにしても驚きを隠せないのがこの薄さ。2mmないくらいのこの作品性。昔ながらのこの「竹流し」は、機械では作れないので、職人さんがすべて手作業で薄く伸ばし、焼き上げているのだそう。一枚一枚の形が微妙に違い、自然と「大切にいただこう」という気持ちにさせてくれます。

原材料は小麦粉、砂糖蜜、蕎麦粉のみなのに、どこかたまごボーロのような優しい風味とコク、そして気持ちがいいくらいパリッパリの食感。一口食べると蕎麦の香りがふわりと上品に香ります。

 

新しいことを始めて、たくさんの人に愛されて伝統となり、そして今は文化や歴史となり。「大阪屋」の本当に長い年月とたくさんの苦労と愛情があったからこそ、ここまで変わらぬ味が受け継がれてきたのだと思います。

他では見たことも食べたこともない、究極の和菓子。先人たちと今の職人たちの想いがしっかりと込められた、とんでもないお菓子でした。
 

身近な日本の軌跡と奇跡。旅するデザイナーrumiのInstagram。
@find_rumi

 

 

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