クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を３作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。

第３８回目のテーマは「今年はどんな年にする？前向きになれるヒントを貰う映画」です。あけましておめでとうございます。今年もたくさん映画を紹介していきます！

Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

第３８回目のテーマは「今年はどんな年にする？前向きになれるヒントを貰う映画」ということで、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『ジョイ』『これが私の人生設計』の３作品をセレクトしました。

昨年は世界が未曾有の事態を経験しました。今でも世界中で生活が制限され、以前の暮らしは奪われたままとなっています。そんなコロナ禍の世界でも、希望や夢を捨てずに、前向きに生きていくためのヒントをくれる映画３本をセレクトしましたので、今年一年の過ごし方を考えるきっかけになれば嬉しいです。

 

辛く、苦しい時こそ人を思いやる心を忘れずに。

© Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

title：『わたしは、ダニエル・ブレイク』

【story】
大工として真面目に働き、実直に生きてきた59歳のダニエル・ブレイク。心臓病を煩い医者から働くことを禁止されてしまったため国の支援制度に頼ろうとする。しかし理不尽で複雑な国の制度が立ちはだかり、思うように支援を受けられず生活は困窮していく。同じく国の支援から見放されたシングルマザーのケイティと出会い、彼女の二人の子供とかけがえのない絆を築いていく。

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カンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドール賞を受賞した本作は是非コロナ禍の今観て欲しい映画です。
金銭的な支援を受けられず、家財も売り、督促状がたまるばかりでまさに崖っぷちだったダニエル。普通なら自分のことでかなり精一杯のはずですが、ダニエルはなんの見返りも求めず同じく崖っぷちのケイティ一家を様々な面でサポートします。
コロナ禍で他人と距離を置いたり、自分中心に生活したりと、人のことを思いやる気持ちが薄れつつある今日この頃。この映画は「助け合い」の大切さを思い出させてくれます。国の支援は目に見える形で用意されていますが、それは形式ばったものばかり。そんな形ばかりの支援とは別に、見えない形での「思いやり」や「助け合い」の存在を再認識させてくれる映画です。
映画ラストのダニエルからの手紙は心に深く残りますので、ぜひゆっくり落ち着いた環境でご覧ください。

 

シングルマザーが発明家に。夢を捨てずにチャレンジし続けることの大切さがつまった映画。

title：『ジョイ』

【story】
舞台は1989年のアメリカ。二人の子供を育てるシングルマザーのジョイは金銭面や精神面でギリギリの生活を送っていた。ある日、革新的な床用モップのアイディアを思いついたことから、幼き頃の発明家としての野心を取り戻し、主婦発明家としての新たな挑戦を始める。しかし現実は厳しく、駆け出し発明家のジョイに様々な試練が立ちはだかる。

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実在するアメリカの女性発明家の半生を描いた本作。主演のジェニファー・ローレンスの演技が高い評価を受けたものの日本では劇場未公開の作品です。
幼い頃は発明家を目指していたものの、いつしか子育てや、実家の面倒に追われ夢を追う気持ちが薄れてしまったジョイ。幼い頃はケーキ屋さんやお花屋さんになりたい！と憧れの夢を抱いていたのに、いつしか現実に追われ、やりたくもない仕事を毎日粛々とこなし、自分を押し殺して生きている人も多いかと思います。感染症という災害が降りかかり、経済も不安定になって夢を追うことがより厳しい世の中になってきているのも事実ですが、ジョイの「やられても立ち上がる」精神を見ていると、自分も昔の夢を追ったり、新しい夢にトキメキを抱いたりする気持ちが芽生えてきます。
主婦からやり手経営者に上り詰めるまでのジョイのファッションの変遷にも注目の映画です。

 

仕事も私生活も全部リセット！建築家女子の新たな挑戦を思わず応援したくなっちゃう！

© 2014 italian international film s.r.l

title：『これが私の人生設計』

【story】
幼い頃から類まれな才能に恵まれ、スター建築家へと駆け上ったセレーナは、世界各国を飛び回り仕事中心の毎日を送っていた。ある日ふと仕事ばかりの毎日に疑問を抱き、一念発起して全てをリセットするために故郷のローマへ舞い戻る。とあるマンションのリノベーションコンペへの参加を決めるが、男尊女卑の建築業界では女性建築家は相手にされない。そこでセレーナはとんでもない方法でコンペに応募することを思いつく。

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テンポの良いイタリアコメディ映画の本作はとにかく登場人物が皆元気！特に主人公のセレーナは超ポジティブ女子。バイクを盗まれても、好きになった人がゲイでも「はいはい、残念でした。次行ってみよう」という調子で全く動じません。結構悲惨な目に遭っているのに毎日を一生懸命生きている彼女を見ていると、自分も少し落ち込むことがあってもあまり考えすぎずに気持ちをうまく切り替えていこうと前向きになれます。
劇中でリノベコンペの対象になる公営住宅はローマに実在し、実際に女性建築家によるリノベプランが採択されています。1970年に建てられた要塞のようなファサードの建物ですが、一度中に入ると柔らかい光がさしてとても素敵な建築物だと思いました。建築マニアの方にもおすすめの映画です。

 

昨年は本当に大変な年でしたね。誰も予想できなかった災害が世界中に降りかかり、映画業界を含むエンタメ業界は苦しい状況に直面しました。そんな中でも各地でのドライブインシアター開催や映画配信サービスの盛況など、嬉しいニュースもありました。終わりの見えない不安が続いていますが、そんな中でも映画は夢や希望を与えてくれます。コロナ禍の今だからこそ心に響く映画もあります。Do it Theaterは今年も素敵なシアター体験を届け、一人でも多くの人の心に光をさせるよう活動を続けて行きます！Life is Cinema！

 

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