CULTURE & LIFE
クリエイティブチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第23回目のテーマは「飯テロ注意のグルメ映画に舌鼓」。視覚も味覚も満たしてくれるグルメ映画でゆっくり、美味しいおうち時間を過ごしてくださいね。
Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
第23回目のテーマは「飯テロ注意のグルメ映画に舌鼓」ということで、『ソウル・キッチン』『食べる女』『恋のトルティーヤ・スープ』の3作品をセレクトしました。
おうち時間が増えて、家でごはんを食べる時間が増えた方もいると思います。美味しそうな料理が見たい人、おうちごはんのレパートリーを増やしたい人、いい映画が見たい人もみんな満足できる映画3本を選びましたのでぜひご覧ください。
Index
ソウルのこもった料理とミュージックで倉庫レストランを再生!
title:『ソウル・キッチン』
【story】
ドイツ・ハンブルクで倉庫レストラン“ソウル・キッチン”を営むジノス。パッとしない客足、積もる滞納税などレストランは自転車操業で、プライベートでもヘルニアと遠距離恋愛に悩まされて踏んだり蹴ったり。経営を諦めかけたその時、高級レストランで働いていた風変わりなシェフと仮出所中の兄が加わり、新たな“ソウル・キッチン”の再建が始まる!
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料理のことになるとすぐにキレる熱血シェフや、ルーフトップ付きの豪邸に不法滞在する絵描き女子など、個性豊かな登場人物によるレストラン再生劇。「笑えて、ノレて、美味しい」と嬉しい三拍子の揃った映画です。
揚げ物や冷凍食品のみで賄い、寂れていたレストランはシェフの登場によって一変します。彩り鮮やかで盛り付けも美しいバルメニューの数々はビールジョッキがよく似合い、さすがドイツ!といったところ。家飲みしながら観たくなる作品です。
カーティス・メイフィールドやアイズレー・ブラザーズなどのソウルミュージックも本作の魅力の一つ。ラム肉のジューシーな焼き音やスープをグツグツと煮込む音、そしてソウルミュージックがこの映画を見所たっぷりに味付けしてくれています。また、舞台となる「ソウル・キッチン」のセットがとってもオシャレ。(実在する倉庫です!)ハンブルクの工場街にたたずむ倉庫を改装したインダストリアルな風貌は必見です。
おうちでマネしたくなるレシピが満載。ごはんは女の人生の相棒なり!
title:『食べる女』
【story】
東京の空の下、年齢、職業、性格の違う女性8人が集う。死別した最愛の人を忘れられない女、離婚した夫の愛にしがみつく女、アラサーで婚期に悩む女、バリキャリで男と長年ご無沙汰な女など、悩みや葛藤を抱えた女性達の食と愛にまつわる物語。苦しい時、悲しい時には美味しいごはんを食べようと思わせてくれるほっこりグルメムービー。
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本作に登場する料理は50種類以上だそうで、どれも画面から香りが漂ってきそうなくらいジューシーなお料理ばかり。文筆家役の小泉今日子さんと食事処の女将役の鈴木京香さんが作ったごはんをコタツを囲んでみんなで黙々と食べるシーンに出てくる料理が全て垂涎もの!菜の花の昆布締めや手羽先の岩塩焼きなど、ひとくせ効かせた和食メニューがたまりません。劇中でメニューやレシピを説明してくれるシーンもあるので、おうちで真似してみるのもオススメです。
現代の食卓って、テレビや携帯などいろいろな誘惑があってごはんだけに集中している時間が意外に少ないですよね。本作の食事シーンは「本気で目の前の料理を味わっている」ことがヒシヒシと伝わってくるほど、”食すことへの敬意”が感じられる作品です。豪華女優陣の共演も見所ですが、飾り気のない、”素の女”の演技も必見ですよ。
これぞ理想の食卓!カラフルなメキシコ料理に彩られるある家族の物語。
title:『恋のトルティーヤ・スープ』
【story】
セミリタイヤ中の元シェフ・マーティンは3人の娘を男手一つで育ててきた。妻が亡くなってからは味覚と嗅覚を失ってしまったが、娘たちに手料理を振舞うことは決してやめなかった。いつまでたっても娘離れできないマーティンは、手放しで自分の人生を楽しめずにいた。そんな中、娘たちに恋と人生の転機が訪れ、一家の生活が少しずつ変わり始める。
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日本人に馴染みのあるメキシコ料理と言えばタコスだと思いますが、本作では見たこともないようなメキシコ料理の数々が登場します。作品全体を通して、目にも美味しいカラフルなメキシコ料理のオンパレードなので、グルメな方にはたまらない映画です。
タイトルには「恋」と入っているのでラブストーリーかと思われがちですが、本作は家族のお話。マーティンの娘たちはみんな我が強く父親に反発しがちで、父親も娘を守りたい一心で娘達に強くあたります。もちろん喧嘩になるんですが、それでも食卓は一緒に囲み、ごはんはみんなで食べる。どんな境遇にあっても、家族みんなできちんと向き合ってごはんを食べる大切さを再認識できるストーリーです。こんな不安定な世の中だからこそ、おうちで大切な人たちと食卓を囲むことのありがたさを再認識していきたいですね。
ストーリーも見応えのある、グルメシーン満載の映画3本をご紹介しました。
視覚も味覚も満たしてくれるグルメ映画、最高ですよね。映画にでてくるごはんってなぜだかとても美味しそうに見えて、心に残ることはないですか?見た目が美味しそうであることはもちろんですが、映画のストーリーが素晴らしいからこそ料理も心に残るのだと思います。
海外では映画に出てくる料理を提供してくれる映画館もあります。私もよくやるのですが、映画に登場する料理を作ってそれを食べながら映画鑑賞、というのが最高に有意義なおうち時間の過ごし方なので、ぜひトライしてみてください!
『ソウル・キッチン』
©2018「食べる女」倶楽部
『食べる女』
『恋のトルティーヤ・スープ』
text : ユーコン(Do it Theater)
映画会社、映画・海外ドラマの翻訳業など経て現在はリモートワークにて二拠点生活中。最近の趣味は映画をテーマにした料理。
好きなジャンルはマンブルコア、SF、アメリカ80年代モノ。
コロナショックで映画関係の仕事が減っています。負けるな映画産業!落ち着いたら映画館に通い詰めます!
●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュースチーム。今年も開催した「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」では2年連続で野外シアターを上映!また 累計4万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫とマリンアンドウォークヨコハマの2会場同時開催の「シーサイドシネマ」、 ロックバンドSuchmosとタッグを組んだ「DRIVE IN THEATER Suchmos」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
design_Koinuma Kenichi
Illustration_MARU
edit_Takehara Shizuka
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