CULTURE & LIFE
シアタープロデュースチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第19回目のテーマは「パリグルメを堪能する映画」です。
Do it Theaterのやべさやです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。今回は「パリグルメを堪能する映画」ということで、食と人間模様が魅力の3作品『大統領の料理人』『ジュリー&ジュリア』『クロワッサンで朝食を』をご紹介いたします。
何気ないシーンでも印象に残る、映画に出てくる魅力的な食事たち。カフェやレストランでのおいしそうな料理の数々。音や映像から、香りまで伝わってきそうなキッチンで作る家庭料理たち。パーティーやイベントでの色とりどりで華やかなスイーツやドリンク。映画の中にはいろんな形の食事シーンがでてきますし、食を通してさまざまなドラマが展開していくことも。今回は、フランス・パリの“グルメ”と人間模様が絡み合う作品たちをセレクト。映画を通して、グルメとドラマを堪能してくださいね。
Index
時代を越えたレシピが2人の女性の人生を豊かに!

©2009 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
title:『ジュリー&ジュリア』
【story】
1949年、夫の転勤でパリにやって来たジュリア(メリル・ストリープ)は、料理の素晴らしさを知り、名門料理学校に通いはじめる。その後、アメリカ人も読める料理本を執筆することになる。そして、現代のニューヨークで働くジュリー(エイミー・アダムス)は、ジュリアが出版した本のレシピを元に料理を作り、ブログに掲載していく計画を進めていくが…。
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舌平目のムニエル、ラズベリーババロア、牛肉の赤ワイン煮込みなどなど、魅力的なグルメと、料理から繰り広げられるドラマが素敵で、観ると前向きな気持ちになる作品です。半世紀前のジュリアが出版したレシピ本を参考に、ジュリーが料理を作り、ブログにアップしてどんどんアクセス数があがっていき…というストーリー展開と、二人の女性が料理を通してどんどん生き生きしていく過程がすごく魅力的。人生、上手くいくときもあれば、上手くいかないときもある。落ち込んだ時は、好きな人たちとおいしいものを食べたり、黙々と料理をしていると気持ちが落ち着いて、また前向きな気持ちになれたりしませんか…?本作は好きなシーンやセリフがたくさんあるのですが、ジュリアの「食料を買うのはドレスを買うのと同じくらい楽しい!」ってマルシェを巡っているシーンがキュートで好きです。ボナペティ!
次々と登場するフランスの家庭料理たちに魅了される!

Illustration_MARU
title:『大統領の料理人』
【story】
フランスの片田舎でレストランを経営していたオルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)はある日、官邸へと招かれて大統領のプライベートシェフに任命される。しかし、官邸の厨房は男社会で、さまざまな嫌がらせをうけてしまう。オルタンスは助手の二コラたちと共に料理を作っていくが…。
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フランス大統領官邸で史上初の女性料理人として大統領に仕えたダニエル・デルプシュをモデルにしている本作。タイトルの通り、料理人を描いている作品なので、おいしそうな料理がたくさん出てきます。食材を切ったり煮込んだりする音、お皿へ盛り付けられた料理や搾りたてのクリームなど、観ているだけでお腹が空いてくるほど。そして、料理を通してオルタンスと大統領が心を通わせていく様子がとても素敵です。途中、大統領がふらっと厨房に来て、採れたてのトリュフ入りのバターをたっぷり塗ったトーストとワインを味わい、オルタンスに「逆境は香辛料みたいなもの」と言葉をかけるシーンはしびれます。オルタンスの、祖母や母の味や、素材や生産者を大切にしているところ、嫌がらせにも毅然とした態度で対応し、料理と向き合っていく姿は、とてもかっこ良くて憧れます。
孤独な二人をつなぐクロワッサンと紅茶

©TS Productions – Amrion Ou – La Parti Production – 2012
title:『クロワッサンで朝食を』
【story】
エストニアの小さな町で暮らしていたアンヌ(ライネ・マギ)の元に、パリでの家政婦の仕事が舞い込んでくる。母親を亡くし、放心状態だったアンヌは、思い切って憧れのパリに向かう。しかし、そこで待っていたのは、エストニア出身の気難しい毒舌の老婦人、フリーダ(ジャンヌ・モロー)だった。
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上記で紹介した2作品とは異なり、本作では食事や料理のシーンがたくさん出て来るわけではありません。しかし、朝食やカフェのシーンなど、人と人との関りが生まれる大事な要素として“食事”が描かれているのです。そして、些細なやり取りからフランスの食文化や風習も見えてきます。また、気難しいフリーダが、アンヌにかつての自分の姿を重ねていき、関係が少しずつ変化していくところも本作の見どころ。紅茶を飲みながら、カフェまで一緒に歩きながら、フリーダはアンヌにいろんな話をします。そのやり取りの中に、孤独との付き合い方や、自分を愛することの大切さなど、フリーダの生き様が見えて来るんです。そんなフリーダが毎朝食べているクロワッサンの本場はパリ。「本物のクロワッサンは、スーパーじゃなくてパン屋で買うのよ」というセリフが印象に残る本作を観ると、自分好みのクロワッサンを探しにパン屋へ出かけたくなるかもしれません。
おいしそうな料理がたくさん出てくる映画、料理や食事が人の心を動かしていく映画、フランスの食文化が見えてくる映画たちをご紹介いたしました。フランス料理というと、格式高いイメージを抱きがちですが、今回ご紹介した作品に出てくるのは、家庭で作りたくなる料理や祖母から受け継いだ味、そして毎朝食べたくなるようなパン。ご紹介した映画を観て、出てきた料理のレシピを調べて、作って味わうという休日の過ごし方も楽しそうですね。
『ジュリー&ジュリア』
『大統領の料理人』
©TS Productions – Amrion Ou – La Parti Production – 2012
『クロワッサンで朝食を』
text : やべさや(Do it Theater)
音楽会社、映画会社などを経て、現在は編集・ライター・宣伝業。好きなジャンルはヒューマン、青春、音楽系で、90年代後半~2000年代前半の邦画が大好き。最近観た中で一番シビレた作品は『ジョジョ・ラビット』。最高でした。
●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュースチーム。今年も10月26、27日に開催する「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」では2年連続で野外シアターを上映!また 累計4万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫とマリンアンドウォークヨコハマの2会場同時開催の「シーサイドシネマ」、 ロックバンドSuchmosとタッグを組んだ「DRIVE IN THEATER Suchmos」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
design_Koinuma Kenichi
Illustration_MARU
edit_Takehara Shizuka
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