クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を３作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第11回目のテーマは「ひとりの時間を大切にしたいときに見たい映画」です。

 

Do it Theaterのやべさやです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

第11回目のテーマは「ひとりの時間を大切にしたいときに見たい映画」ということで、さまざまな“ひとりの時間”を楽しめる作品『恋愛睡眠のすすめ』『横道世之介』『アスファルト』をセレクトしました。みんなでワイワイしたり、恋人とまったり過ごしたりする時間も良いけれど、やっぱりひとりで過ごす時間も大切にしていたいですよね。買物をしたり散歩をしたり、お気に入りのカフェでコーヒーを飲みながら本を読んだり。今回セレクトした映画を観たら、“ひとりの時間”があるからこそ、“誰か過ごす時間”がより愛おしく感じてくるかもしれません。

 

ミシェル・ゴンドリー監督の世界を堪能できるロマンティック・ラブストーリー

title：『恋愛睡眠のすすめ』

【story】
パッとしない人生を送ってきた主人公ステファンは、父の死をきっかけに、メキシコから母のいるパリへ帰郷する。やがてステファンは、隣の部屋に引っ越してきたステファニーのことを好きになるが、その恋はなかなか上手くいかない。次第にステファンは理想的な夢ばかり見るようになり、夢での出来事を現実だと思い込むようになっていく….。

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『エターナル・サンシャイン』でご存じの方も多い、ミシェル・ゴンドリー監督作品です。夢と現実が交差していくストーリー展開や、手作り感溢れる美術や小物など、とてもファンタジックで可愛らしい世界観があり、映像も音楽もとってもキュートなので、観ていると映画の世界にどっぷり浸かることができます。しかし、ラストに向かうにつれ、ちょっとした違和感や人間臭さが見えてきて、可愛らしいだけのお話ではなく、観る人によってさまざまな解釈ができるという所も本作の魅力。『恋愛睡眠のすすめ』を観て、ミシェル・ゴンドリー監督の魅力にハマった方はぜひ『ムード・インディゴ うたかたの日々』や、監督のInstagramにアップされている動画、ミュージックビデオなども合わせてどうぞ。

 

人と出会うこと、そして関わることの面白さと豊かさを再確認させてくれる

title：『横道世之介』

【story】
大学進学のために長崎県の港町から上京した横道世之介。お調子者でお人好しな世之介は、出会った人たちのことを、いつの間にかどんどん惹きつけていく。そんな彼と出会い、関わった人たちとの、なんでもないけど愛おしい日々を描いた、心温まる青春物語。

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鑑賞後、「私も世之介に会いたい！」と思ってしまうほど、世之介の人柄や佇まいに魅了されて、あたたかい気持ちになる作品です。本作は、世之介や彼と関わる人たちとの何気ない日常を描いているのですが、その何気ない日常の中に、人との向き合い方や物事の考え方、大切にしたい言葉などが詰まっていて、ハッとします。そして、「自分自身も誰かの人生に関わりあって生きている」という当たり前だけどとても大切なことに気付かされるんです。慌ただしい生活が続いて、ちょっと余裕が無いな…という時こそ、“ひとりの時間”を作り、『横道世之介』を鑑賞して、今まで出会ってきた人や、歩んできた人生をゆっくり振り返ってみるのはいかがでしょう？

 

とある郊外の団地で起こる不思議で素敵な「出逢い」のお話

title：『アスファルト』

【story】
あらすじ：舞台はフランス郊外にある少し寂れた団地。車椅子生活をおくることになった中年男性と訳あり風な夜勤の看護師、鍵っ子の若者と落ちぶれた女優、息子が刑務所にいる移民の女性と不時着したNASAの宇宙飛行士。不器用だけれど愛おしい6人の男女に、思いがけない奇跡の出逢いが訪れる。

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日々、道や電車ですれ違う人たちや、数々のビルやマンションを見ていると、人と人との出逢いって本当に不思議で面白いなと感じることがあります。本作は、そんな些細で何気ない出逢いが、実は自分の人生に変化を与えてくれているのだということを感じさせてくれる作品です。そして、そんな些細な出逢いから、少しずつ２人の間に変化が起こっていく様子を淡々と、ユーモアとやさしさを交えながら描いています。会うタイミングや回数、交わす会話や一緒に過ごす時間。そうして人と人の関係性は変化したり深まったりしていくのだなあと、ひとつひとつの些細な出逢いを、改めて大切にしたくなりますよ。様々なエピソードがある中、宇宙飛行士が移民女性との会話の中で何気なく言う「暗闇の後ろには眩しい光がある」という言葉。その言葉を聞いた時の女性の表情がすごくグッとくるので、ぜひご注目くださいね。

 

今回ご紹介した3作品は、映画の世界に没頭したり、懐かしい大切な日々を想い出したり、これからの出逢いが少し楽しみになるという、それぞれ違う角度の魅力がある作品たちです。みなさんは普段、“ひとりの時間”をどう過ごすことが多いですか…？これからますます寒さが増し、陽が短くなって、夜の時間が長くなっていく時期です。お家でまったり過ごすのも気持ちが休まりますし、アクティブに外に繰り出すのも良い気分転換になりますよね。いろんな生き方を知れたり、世界観を楽しんだりすることができる映画鑑賞も、“ひとりの時間”を過ごすのにおすすめなので、ぜひプランに組み込んでみてくださいね。

 

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