CULTURE & LIFE
クリエイティブチーム Do it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。
Do it Theaterの阪実莉(さか みのり)です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
今日から年末年始のお休みに入った方も多いのではないのでしょうか。クリスマスも終わり、年の瀬の雰囲気が街中にも出てきましたね。
ゆっくりお休みの時間が取れる時は、シリーズものを一気見したり、時期ならではの作品を観たりしたいな、なんて考えるだけでワクワクしてしまいますね。今回は、年末年始にみたい映画をテーマに、『ニューイヤーズ・イブ』『ちょっと思い出しただけ』『スター・ウォーズ』をご紹介します。
Index
大晦日のNYを舞台に8組の男女の姿が描かれる
Illustration_skpn
title:『ニューイヤーズ・イブ』
【story】
一年で最も煌びやかになる街、大晦日のニューヨークで様々な出来事が起こる。
大晦日が苦手なランディは、偶然乗り合わせた歌手のエリースと共に、エレベーター内に閉じ込められてしまう。一方、踏み出す勇気を持てないイングリッドは、今年立てた新年の誓いを果たすため、配達員ポールと共に「To Do リスト」を実行していく。別の街角では、死期が迫った孤独な老人スタンが、かつて娘と夢見たタイムズスクエアの名物イベント「ポール・ドロップ」を病院の屋上から見届けようとしていた。
年齢も仕事も境遇も異なる男女8組が、この街で新年を迎えるストーリーをオムニバス形式で綴る。
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『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャル監督による、オールスターキャストの恋愛群像劇。大晦日のニューヨークを舞台に、死期が迫った老人と看護師、1年前に出会った女性を忘れられない男、偶然再会した元カップルなど、新年を迎える8組の男女が織りなすロマンティック・コメディーです。
以前、三谷幸喜監督『THE 有頂天ホテル』を年末の作品でご紹介しましたが、今作も同様グランドホテル形式の作品です。前段部はそれぞれの物語が進行され、後半部で一気にストーリーが交差する気持ちの良さ、最高です。テンポもよく、複数の人々の物語を一気に見られる疾走感は年末にぴったりの作品。
12月31日は、何か特別な空気感がありますよね。街中の人々が少し浮かれて、幸せそうというか。私はいつも家で過ごすことが多いですが、年末の最終電車で普段行かない繁華街へ行き、街の雰囲気を味わうのも好きです。飲食店で働く方は忙しないながらも幸せそうで、カウントダウンをするカップルは今この時を最大に楽しんでいる。他人も身内も同じ時を祝福し、次の門出を楽しみにするポジティブなムード、生きることの幸せを感じられる瞬間です。そんな雰囲気をこの作品からも感じられました。
年末はテレビで華やかな音楽番組を見るのも良いですが、ゆったり心を落ち着かせて映画を一本見るのも粋ですよ。
『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得た楽曲に触発されて制作されたラブストーリー
Illustration_skpn
title:『ちょっと思い出しただけ』
【story】
2021年、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、いつものようにステージ照明の仕事へ向かう。一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、目的地へ向かう途中でトイレに行きたいというお客さんを降ろし、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行き、ステージで踊る照生の姿を見つける。時は遡り、2020年。照生は部屋でリモート会議をし、葉は飛沫シートを付けたタクシーをマスク姿で運転している。照生は誰もいない部屋で静かに眠りにつく。また一年遡り、誕生日を迎えた照生は、行きつけのバーで常連のフミオ(成田凌)とダンス仲間の泉美(河合優実)と飲んでいた。同じ頃、居酒屋で合コンをしていた葉。彼女のLINEのアイコンにしていた猫は、2021年に照生が飼っているモンジャだった。
時は更に1年、また1年と遡り、照生と葉の恋の始まりや、出会いや別れの瞬間が丁寧に描かれていく。
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『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画をつくったら』を手がけた松居大悟監督のオリジナル脚本を、池松壮亮と伊藤沙莉の主演で映画化した本作。クリープハイプの尾崎世界観が、ジム・ジャームッシュ監督の代表作『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て制作した楽曲「Night on the Planet」。その楽曲に触発されて生まれたラブストーリーです。この情報だけでも映画と音楽が好きな方は興味を惹かれてしまいませんか? 私もその一人です。
本作は、照生と葉が別れを迎えた後から始まり、巻き戻されていくように二人が過ごした日々が映し出される構成になっています。一緒に過ごした6年間の中で、出会った日、愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日‥‥一期一会な人生の中で、そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。
過去を振り返る作品構成は年末にぴったりで、今回セレクトしました。年末は、仲間との忘年会や大掃除など、一年を振り返るタイミングが多くありますよね。作中の2人に感情移入をしつつも、映画を観た後に少しだけ心の清算をして、来年を前向きに迎えられる作品です。
こっそりポケットに忍ばせておきたい、お気に入りの一本になれると思いますよ。
多くの作品に影響を与え続ける大レジェンドシリーズ作品
Illustration_skpn
title:『スター・ウォーズ』
【story】
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…。暗黒卿ダース・ベイダー率いる帝国軍に支配されている銀河系で、反乱の機会をうかがうレイア姫(キャリー・フィッシャー)は、帝国の恐るべき兵器デス・スターの設計図を奪取する。ダース・ベイダーの追撃に遭いながらも、かつてのジェダイ騎士オビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)に助けを求めるため、二体のドロイドR2-D2とC-3POを砂漠の惑星タトゥイーンに送り込む。偶然にもそのドロイドを手に入れたルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)は銀河のならずものハン・ソロ(ハリソン・フォード)たちと共に、帝国軍に捕えられたレイア姫の救出に向かう。
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名前を聞いたことがない方はいないのでは、と思うくらいのレジェンド作品をご紹介します。遥か彼方の銀河系を舞台に繰りひろげられる壮大な戦いを描いた『スター・ウォーズ』シリーズの記念すべき第1作。この作品の公開後、本作の前章となる3部作が生まれ、本作は第4部にあたる「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」とされています。実は、監督のジョージ・ルーカスはシリーズ作品として計画していたのですが、自分の作りたい作品企画において、当時VFXの技術がないことから、撮影が技術的に可能だったエピソード4から撮影を始めた、という裏話があります。
1978年公開と年代的には少し古めの作品なので、挑戦することを躊躇ってしまいますが、実際に観てみるとその時代を感じさせないほどに、驚きのある映画です。今公開されているSF映画のほとんどはこの作品に影響されたと言っても過言ではなく、公開された当時は恐ろしい影響力だったことが垣間見えます。作品設定ももちろんですが、ヘアメイクやコスチューム、宇宙の描写、乗り物、美術セットなど、今見ても先端的な要素が多く心惹かれてしまいますよ。
ただ、初めて観てみる方は、知らないワードが説明なく多く登場するので、解説してくれる人と一緒に観る、もしくは調べながらチャレンジするのが良いかもしれません。
現在シリーズとしては映画のメインストーリーが完結し、魅力的なドラマ新シリーズが次々と登場しています。実はまだ観たことがない方、今が間に合うチャンスです。ぜひこのお休みで一気観チャレンジをしてみてください!
ちなみに、映画の観る順番は、4→5→6→1→2→3→(ローグワン)→7→8→9が私はおすすめです。一度メインストーリーを観終わった後に登場人物スピンオフを巡るのが1番楽しめるかと思います。
シリーズ履修をすると、ほかSF作品や、はたまたテーマパークでのスター・ウォーズコーナーまでも今まで以上に楽しむことができるでしょう…!
今回は、「年末年始にみたい映画」をテーマに、『ニューイヤーズ・イブ』『ちょっと思い出しただけ』『スター・ウォーズ』をご紹介しました。
実家に帰省してゆっくりするもよし、食事を楽しむもよし、映画を観るもよいですよね。私も長期のお休みはシリーズ作品を一気見することが多いのですが、今年は貯めてしまっているスター・ウォーズのドラマシリーズを攻めていこうかなと計画中です。
年末年始の長いお休み、心と体のデトックスをしながら過ごしたいですね。
『ニューイヤーズ・イブ』
出演:ハル・ベリー、ジェシカ・ビール、ジョン・ボン・ジョビ
U-NEXTで配信中
『ちょっと思い出しただけ』
『スター・ウォーズ』
監督:ジョージ・ルーカス
出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー
1977年 アメリカ 121分
Disney+で配信中
阪実莉(さか みのり)
北海道札幌市出身。学生時代は、ドキュメンタリーと心理学を専攻。野外上映・空間演出の分野で活動したのち、現在はDo it Theaterでアートディレクター・プロデューサーをしています。人生のバイブル作品は映画『あの頃ペニー・レインと』、漫画『NANA』。昨年のお休みはゲームオブスローンズシリーズに勤しみましたが、新ドラマシリーズはまだ観られていません…。
●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース&クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計6万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど5会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
design_Koinuma Kenichi
edit_Takehara Shizuka
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