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「サーカディアンリズム」に合わせた1日のルーティン
休息と活動を繰り返す一定のリズムを備える身体の機能。生活習慣と密接な関係にあるこのサーカディアンリズムを正常に保つことが自律神経のメンテナンスにつながります。
教えてくれたのは…
成城 松村クリニック院長 松村圭子 先生
婦人科専門医。若い世代の月経トラブルから中高年の更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を行う。更年期に入って体調を崩したことをきっかけに、生活習慣を徹底改善。食事や睡眠など「暮らし」の見直しを提案する著書も多い。
せたがや内科・神経内科クリニック院長 久手堅司先生
内科・神経内科・頭痛・脳卒中専門医。2013年に開院。「自律神経失調外来」「気象病・天気病外来」「肩こり・首こり外来」など特殊外来を立ち上げ、多くの患者のニーズに応える。精神面だけではなく骨格から自律神経のバランスを整える方法を提唱。
元気になる整体院代表 原田賢先生
1976年生まれ。会社員時代、過度な労働から自律神経失調症を患い、その後うつ病により休職。自らの経験をもとに、自律神経専門の整体院を日本ではじめて開院。整体施術のみならず、メンタル面や栄養指導まで包括的にフォローしている。
06:30 毎朝決まった時間に起きる
体内時計のズレを正せるのは朝だけ。毎日同じ時間に起きるように心がけましょう。「起床時間を一定にするだけで睡眠のリズムが整います。寝ついたら朝まで目覚めないのが通常。夜中や明け方に目が覚めたり、眠りが浅い状態が続くなど眠りについて悩みがあれば医師に相談をしてください」(松村先生)
06:40 ベッドの中で耳を引っ張る
耳たぶを平行に伸ばしたり斜めに引っ張り、5〜10秒キープ。または両耳を前後にまわして。「耳のストレッチは耳まわりの血行をよくする効果が。緊張をほぐし、頭痛や肩こりを緩和します」(久手堅先生)
朝の起き抜けを含め、1日の中で気づいたときに3〜4回は行うようにするとより効果的。
06:45 朝日を浴びる
「太陽の光を目に入れると副交感神経の働きを高めるセロトニンの分泌量が増加。6:30〜8:30頃の朝日を浴びることがよい効果をもたらします」(原田先生)
時間に余裕がある朝は、朝日を浴びながら一定のリズムを刻むウォーキングをしてリフレッシュ効果も高めましょう。
06:50 白湯を飲む
「朝一番に白湯を飲むと胃腸の動きがよくなるので身体のエンジンをかけるのにもってこい。内臓の温度が1度上がると基礎代謝が10〜20%アップするとも言われています」(久手堅先生)
腸内環境がよいと自律神経も安定するため、便秘解消効果のある白湯で手軽に腸活を。
07:30 朝食を食べる
「体内時計のリセットになります。朝、お腹が空いて目覚めるのが自然な状態。消化活動が間に合わず食欲がわかないのは、自律神経が乱れている証拠です」(松村先生)
コーヒー1杯のみというのも避けたいところ。腸が動くことで身体も目覚めるので、少量でも朝食を食べる習慣を。
09:00 活動をはじめる前に胸式呼吸をする
「交感神経を優位にし、心身を活動的にするのが胸式呼吸。仕事モードにスイッチを切り替え、パフォーマンスを発揮したいときに行いましょう」(久手堅先生)
休憩時間には腹式呼吸を取り入れて緊張状態からリラックスモードにし、疲れを軽減させることも忘れずに。
10:00 軽いストレッチを1時間に1回はする
「ずっと同じ姿勢でいると、筋肉がこり固まったり骨格に歪みが生じて神経に負担がかかります。気がついたら肩をまわす、立ち上がるなど、身体を動かす意識を持って」(久手堅先生)
立った状態からゆっくり前屈すると、伸ばす動きで正しい姿勢にリセット。ぜひ取り入れてみて。
13:00 疲れたら15分昼寝する
人の睡眠サイクルには昼食後に眠気が高まる時間帯があります。このリズムに合わせて軽く眠り、脳の疲労を回復。「昼寝はストレスを軽減させる効果も。眠りすぎが心配なら、眠る前にカフェインを。摂取後20分で作用するので、ちょうどいい頃合いで交感神経を刺激します」(松村先生)
15:00 スマートフォンは1日2時間まで
「大脳を興奮させて脳疲労を起こすだけでなく、ブルーライトの光は睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。スマホを覗き込む姿勢は首や肩への負担も大きいので、使用は2時間を目安に」(久手堅先生)
スマホを持つときはうつむいた姿勢になっていないか注意しましょう。
20:30 夕食は入眠の3時間前に済ませ、食べたらすぐに歯を磨く
食事をしてから消化されるまでおおよそ3時間は必要なため、睡眠の質を上げるために夕食はベッドに入る3時間前には終わらせるようにしましょう。「歯磨き粉のミントのフレーバーの作用で交感神経が優位になるので、寝る直前ではなく食べたらすぐに歯磨きすることを習慣化しましょう。食後につい食べてしまうおやつの防止にもなります」(松村先生)
22:30 何もしない時間を1日30分は持つ
休むことも仕事のうちだと考え、どんなに忙しくても休息する時間を見つけるように心がけましょう。「朝から晩までずっとアクセルを踏んだ状態では心身が持ちません。何もしない時間を設ければ、自然とゆっくりでき副交感神経が優位に。回復モードにスイッチを入れて」(久手堅先生)
23:30 起きる時間の7時間前を目安に就寝
入浴すると深部体温が一時的に上がるが、下がる作用が働くタイミングで眠ると質のよい眠りに導かれます。「ベストな入浴の頃合いは就寝の90分前です。眠りのサイクルは90分と言われているので、起床する7時間〜7時間半前を目安に眠るようにしてください」(久手堅先生)
photograph:Masahiro Tamura[FREAKS] styling:Mina Takaue
hair&make-up:Takumasuga model:Misaki Hattori[FLaMme] edit&text:Ai Watanabe re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.23(2022年5月13日発売)より抜粋。
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