みんな大好き、お味噌汁。1杯いただくだけで気持ちはほっこり身体もぽかぽかに。幼い頃から慣れ親しんできたけれど、案外知らないことがいっぱい。身体にいいと言われるのはなぜ？ いつ頃から食べられるようになったのだろう？ どんな具材が合うのかな？ 私たちのソウルフードだからこそ、お味噌汁のこと、もっと深く知りたいと思いませんか？

日本をぐるっと一周、味噌巡り

味噌文化の発展とともに、全国各地で味噌がつくられるように。白味噌に赤味噌……それだけ？ と思うことなかれ。日本全国津々浦々、その土地の風土が生み出した、多彩な味噌を一挙紹介！

 

北海道味噌 〈米味噌〉

赤色系の中辛味噌が代表的。古くから佐渡や新潟との交流が盛んだったことから、赤色辛口で旨味のある、佐渡味噌に近い色と風味。

津軽味噌 〈米味噌〉

長期熟成型の赤色辛口味噌。麹歩合は低く塩分濃度も高いが、十分に熟成して塩なれしていることから、独特の旨味がある。

秋田味噌 〈米味噌〉

米どころならではの、良質な米と大豆をたっぷり使った赤色辛口味噌。辛口の味噌としては麹歩合が高いため、色も赤というよりは褐色。

仙台味噌 〈米味噌〉

伊達政宗が醸造の専門家を仙台に呼び寄せ、軍糧用としての味噌をつくらせたと言われる「御塩噌蔵」以来の伝統を受け継ぐ赤色辛口味噌。

会津味噌 〈米味噌〉

夏の暑さも冬の寒さも厳しい、会津盆地ならではの厳しい気候条件の中で育まれたのが会津味噌。長期熟成型の赤色辛口味噌。

越後味噌・佐渡味噌 〈米味噌〉

越後味噌は精白した丸米を使い、米粒が味噌の中に浮いて見えるのが特徴。佐渡味噌は、熟成が進み塩なれしたコクのある赤色辛口味噌。※写真は越後味噌

加賀味噌 〈米味噌〉

前田藩の軍糧用、貯蔵味噌が由来の赤色辛口味噌。塩分が高く長期熟成型で、キリッとした辛味が特徴。最近は色が淡い中辛口も生産されている。

江戸甘味噌 〈米味噌〉

蒸した大豆を用いるため、色は濃赤褐色。米麹をたっぷり使用していることから、濃厚な甘みがあり、独特の光沢と香りを有するのが特徴。

信州味噌 〈米味噌〉

全国の味噌の生産量の約40%を占める、淡色辛口味噌の代表格。やさしい酸味のある芳香を持ち、信州だけでなく全国的に生産されている。

東海豆味噌 （愛知・三重・岐阜）〈豆味噌〉

名古屋味噌・三州味噌・三河味噌・八丁味噌など、中京地方を中心に製造されている豆味噌の総称。濃厚な旨味と、若干の渋みと苦味を持つ。

関西白味噌 〈米味噌〉

西京味噌の銘柄名で知られる白色甘味噌。褐色になるのを防ぐため、精米度を高くして、大豆は脱皮したものを蒸さずに煮る。短期熟成型。

府中味噌 〈米味噌〉

関西白味噌や四国の讃岐味噌と並ぶ、白色甘味噌。良質の米と脱皮した大豆を原料とする伝統的な味噌。麹歩合が高いため甘みが強い。

瀬戸内麦味噌 （愛媛・山口・広島）〈麦味噌〉

瀬戸内海を挟み、愛媛・山口・広島周辺は、米味噌圏と麦味噌圏が交差。愛媛県産の味噌は、麦麹の歩合が高く、特有の芳香と甘味がある。

御膳味噌 〈米味噌〉

蜂須賀公の御膳に供されたことが名前の由来。徳島県産の赤色甘口味噌で、塩分は辛口味噌と同じくらいだが、米麹歩合が高く豊かな味わい。

讃岐味噌 〈米味噌〉

讃岐は、京都の伏見、広島の府中とならぶ白味噌の生産地。濃厚な甘味とふっくらとした味わいが特徴的な、白色甘味噌の代表格のひとつ。

九州麦味噌 〈麦味噌〉

九州地方は麦味噌の生産地。米と麦の合わせ味噌も多くつくられている。温暖な気候のため熟成期間が短く甘口が多い。色は淡色や淡赤色。

 

ご当地味噌をいただこう！

全国各地の特徴ある味噌をkiitos. 編集部が厳選チョイス。味わいの違いを楽しんでみて！

北海道 紅一点 十勝無添加粒

十勝産大豆「トヨハルカ」と北海道産米「ゆきひかり」の麹を使用した、酵母が生きている香り豊かな甘口味噌。400g ¥756／岩田醸造（tel:011-231-5221）

愛知県 カクキュー八丁味噌 八丁味噌のパウダー

木桶仕込み・天然醸造でつくる八丁味噌をフリーズドライ製法で粉末に。スープのコクづけなどに。200g ¥1,650／カクキュー八丁味噌（tel:0120-238-319）

宮城県 太田屋 吟醸蔵一番〈八麹〉

弘化2年創業の老舗がつくる仙台味噌。麹歩合8歩のすり味噌で、辛口で風味高く、そのまま食べてもOK。500g ¥700／太田與八郎商店（tel:022-362-0035）

和歌山県 手作り白味噌 百福

木桶でじっくり自然熟成させ、米麹をたっぷり使用した白味噌。シルクのようななめらかさで、とろけるような舌触り。350g ¥520／やまだ（tel:0120-89-0401）

東京都 江戸甘味噌

米麹をたっぷり使い、独特の風味を醸し出す江戸甘味噌。お味噌汁には手持ちの味噌と合わせてコク出しに。500g ¥648／日出味噌醸造元（tel:0120-553-083）

鳥取県 恵み 麦みそ

鳥取県産の大麦と在来種のもち大豆を、沖縄海水塩で仕込んだ甘口の味噌。麹も自家採取した天然麹菌を使用。500g ¥1,080／藤原みそこうじ店（tel:0858-71-0485）

長野県 無添加オーガニック味噌 こだわってます

厳選された有機栽培の原材料を使用。ふっくらとした丸大豆と甘味のある米の、なめらかでやさしい味わいが特徴。750g ¥756／ひかり味噌（tel:03-5940-8850）

熊本県 卑弥呼 火の鳥

熊本県産の原材料を使用した、米と大麦の合わせ味噌。半年以上陶器のかめで熟成させた、風味豊かな甘味噌。900g ¥1,340／内田物産（tel:0968-46-2123）

参考文献:みそ健康づくり委員会

 

photograph : Yumiko Yokota［STUDIO BANBAN］　edit&text : Masayo Okegawa　re-edit:Yuri Iwata［press lab］
※kiitos. vol.22（2021年12月23日発売）より抜粋。

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