温泉好きならばいつかは訪れたい“温泉天国”・別府に昨年開業した「界 別府」。エントランスやすべての客室からは別府湾を望むことができ、空や海の表情が変化していく様子を朝な夕なと楽しめる。コンセプトは「ドラマティック温泉街」。懐かしく情緒のある温泉街の風情を楽しめる仕掛けが随所に散りばめられた「界 別府」で、心と身体のコリをほぐす湯治旅へ。

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心と身体の”コリ”をほぐす、別府温泉 湯治旅｜「界 別府」vol.1

地のものからパワーをチャージ。大分の食材を味わう会席料理

温泉に浸かり日々の疲れを流したら、地元の美味しいものをいただく至福の時間。食事処の暖簾をくぐると、階下に向かって開放的な吹き抜けの空間が広がる。80個の竹とんぼがシャンデリアのように飾られていて、日が落ちると幻想的な趣に。座席は半個室となっていて、お喋りを楽しみながらゆっくり食事することができる。

季節の会席では、大分県の海の幸・山の幸をふんだんに取り入れた会席料理を伝統工芸品である小鹿田（おんた）焼きの器や竹細工とともに楽しめる。特別会席「かぼすと魚介の豊後なべ会席」には「豊後なべ」を用意。近海で獲れた旬な魚介がたっぷり入ったスープに「かぼす」を入れることで、濃厚な味わいの中にも爽やかな風味を味わうことができる一品だ。

 

温泉街は夜が楽しい。「界 別府」の夜の過ごしかた

食事を終えたらここからは夜のお楽しみ。開港当時の別府港には流しのギター弾きが闊歩し、オールデイズバンドを楽しむ空間もたくさんあったのだとか。「界 別府」ではこの歴史にちなんだご当地楽（ごとうちがく）「湯治ジャグバンド」（写真上）を毎晩開催している。法被をまとったスタッフたちが桶と湯で奏でるパワフルな音に身を委ね、かつての湯治客が楽しんだであろう音楽と過ごす夜の風情を館内で味わいたい。

そのほかにもスマートボールや輪投げ、型抜きなどお祭りさながらのアクティビティがさまざま。つい夢中になって時間が経つのも忘れてしまうほど。「血の池地獄」や「海地獄」などをイメージしたドリンクを味わえる「地獄巡りバー」、そぞろ歩きしながら味わえる、溶けにくい葛を使った「葛アイスバー」なども振る舞われる。

音楽とゲームを思う存分楽しんだらお部屋でリラックスタイムを過ごしたい。「ピクチャーウィンドウ」からの眺めは昼間だけでなく、夜もまた格別。別府湾の向こうに広がる夜景を眺めながら部屋露天でお湯を楽しむのもおすすめだ。

 

特別な体験ができるのも滞在の楽しみ

旅先での「出会い」や「学び」は人生をより深みのあるものにしてくれる。ご当地の歴史や伝統を気軽に学べるのも温泉旅館「界」の特徴だ。館内で楽しめるアクティビティや、地域の文化を継承する職人や作家、生産者の方々と連携した文化体験「手業（てわざ）のひととき」の体験もおすすめしたい。今回は手業のひととき「別府つげ細工職人と行う一生モノのつげブラシ作り」と、「別府温泉絞り」をご紹介。

✔︎手業のひととき「別府つげ細工職人と行う一生モノのつげブラシ作り」

静電気を抑え、髪にツヤと潤いを与えるブラシとして評判の「つげブラシ」を手作りできる。大正8年（1919 年）創業の「別府つげ工芸」の工房にて、素材となる木材の薩摩柘植がブラシに仕立てられる工程を見学。職人指導のもと、選んだブラシの土台にピンを1本ずつ差し込み固定するという組み立て作業を体験することができる。柄の部分には名前を彫刻することも可能だ。滞在中のお部屋にさまざまな種類のつげブラシが用意されているので、事前にどのタイプにするか選んでおこう。

期間：開催中〜2023年2月28日（火）※除外日:2022年12月23日（金）~2023年1月6日（金）
料金：1名 20,000円（税込、宿泊費別）※ブラシの種類により 5,500~13,200 円追加料金有

✔︎「別府温泉絞り」

絞り模様のハンカチを制作できる「別府温泉絞り」。事前に染めておいた木綿布を絞りなどの技法で色抜きすることで、自由なデザインを楽しむことができる。染料を落とす際は別府温泉の湯を使用しているのだそう。旅の思い出にオリジナルのハンカチを。

期間：通年
料金：1,800円

臼杵焼きに竹細工、「界 別府」で見つけたかわいいもの

館内のあしらいに用いられている竹細工、トラベルライブラリーに用意されているマグや大浴場の壁に埋め込まれている臼杵（うすき）焼き。地元の民芸品に触れるのも滞在の醍醐味だ。館内のショップでも民芸品を扱っているし、例えば竹細工が気になったならスタッフに地元でどこか面白いショップがないか尋ねてみるのも良い。

（左）臼杵焼きのマグカップでコーヒーをいただく。あたたかみのある色合いでしっくり手になじむ。（右）階数表示にも竹を使用。

いよいよ旅への扉が開かれ、どこか遠くへ出かけたいという思いも高まるこの頃。季節の移ろいとともに秋冬モードへ身体をシフトさせていくのに「湯治」は最適。極上の湯と地域の食、そしてここでしかできない体験に身を委ねてみて。

 

今回訪れたのは…
界 別府

住所／大分県別府市北浜2-14-29
料金／1泊2食付 1名￥32,000〜（2名1室利用時）
界予約センター／tel:050-3134-8092
界 別府／https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaibeppu/

 

「温泉ハシゴ」のすすめ

九州には個性豊かな温泉が点在しているので、せっかく足を伸ばしたなら温泉のハシゴをしてみるのもいい。おすすめしたいのは大分県内に今年8月にオープンした「界 由布院」へのハシゴ。「界 別府」から車で1時間とかからない距離ではあるものの、こちらで堪能できるのは山と風情。また、温泉は単純温泉でメタケイ酸を豊富に含んだやわらかな泉質。「界 別府」とのお湯の違いを感じてみるのも楽しい。

界 由布院

国内有数の源泉数・湧出量を誇る大分県由布院温泉に今夏開業した「界 由布院」。コンセプトは「棚田暦（たなだごよみ）で憩う宿」。宿の中心には由布院の原風景の季節によって移り変わる棚田の風景を一望できる「棚田テラス」、豊後富士とも呼ばれる由布岳を眺めながら湯浴みを楽しめる大浴場などを備え、客室は「蛍かごの間（棚田離れ）」、「蛍かごの間（くぬぎ離れ)」の2タイプを用意。夕食には猪肉や穴熊（あなぐま）肉などの野山恵みをふんだんに使用した特別会席などをいただける。由布院の原風景をすぐそばに感じることができる宿でのんびり過ごしたい。

住所／大分県由布市湯布院町川上 398 番
料金／1泊2食付 1名￥35,000〜（2名1室利用時）
界予約センター／tel:050-3134-8092
界 由布院／https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiyufuin/

 

星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」

心地よさを知っている現代人に、感動できる日本の旅を提案する、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」。“王道なのに、あたらしい。”をテーマに、和の趣を大切にしながらも洗練を叶え、伝統を継承しながらも自由にくつろげる空間のための創意工夫を凝らした温泉旅館は、ゆったりと過ごせるよう客室数は少なく、しかも小さくて上質。地域の魅力を再発見できる、ご当地ならではの食材や湯浴み、そして文化体験を提案し、その季節にしかない魅力を伝えることが、界のおもてなしへのこだわりだ。全国の界を巡ると、日本の温泉旅を満喫することができる。
公式ウェブサイト　https://hoshinoresorts.com/ja/brands/kai/

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