FASHION
出典:春コーデをぐっと格上げ!FUDGEおすすめのトートバッグ8選
連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第9回目は「トートバッグ」について。FUDGE GIRLも大好きなトラディショナル・スタイル(通称トラッド)に欠かせないこのアイテムについて、その背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!
Index
【用語解説】
まずは「トートバッグ」を知ろう
上の口が大きく開いた、2本のハンドルがついたバッグの総称です。トートとは英語で “背負ったり、抱えたりして物を運ぶ” という意味。もともとはキャンプで水を運ぶために使われていた袋状のものという説があります。現在はサイズ、デザイン、素材のバリエーションは多種となっています。2本の手がついたショルダータイプのバッグほとんどをさして使われることが多くなっています。
【トートバッグの歴史】
「トートバッグ」のルーツは荷物運搬用の袋だった?!
“tote”とは運ぶ、背負うといった意味を持つ英語ですが、この言葉がついた「トートバッグ」という言葉が発生したのは1900年代、今から100年以上前のことで、当時、「トートバッグ」と言えば、肉体労働者が重い荷物を運ぶのに使う丈夫な袋のことをさしていたようです。
それがいつしかファッションバッグとなる潮流を作ったのは、あの《L.L.Bean(エル・エル・ビーン)》だと言われています。《エル・エル・ビーン》は1944年に「アイスキャリア(別名:ボート&トート)」というバッグの発売をスタート。もともと氷や木材を運ぶように作られたシンプルなデザインで、このころから大変丈夫なキャンバス地が採用されていたようです。
その後、この「アイスキャリア」はバリエーションを増やしていき、それとともにその使い勝手のよさから、一般家庭にも浸透し、1960年代に入るとこの《エル・エル・ビーン》の「アイスキャリア」もいつしか「トートバッグ」と呼ばれるようになっていきました。そのうち今度はそれを前回の記事「トラッド」でも紹介した、アメリカのアイビー・リーグの学生たちが通学用バッグとして指名買い。開口部が大きく、肩にもかけられるちょうどいい長さのハンドルつきで、たくさんの教科書や、クラブ活動のためのスエットやラケットなどをポンポンと放り込んでもへこたれない丈夫さが、好都合だったのでしょうね。アイビー・リーグの学生たちのファッションは、アメリカン・トラッド、トラッドスタイルとして日本国内はもちろん、世界中に広まりましたから、それにともなって、「トートバッグ」の認知度も世界レベルになっていったというわけです。
そんなふうにして運搬用バッグとして誕生したはずの「トートバッグ」が、あれよあれよとファッションアイテムへと昇華し、いまでは世界じゅうのお洒落さんたちにとってすっかりベーシックとなっています。とちゅう、2000年代に入ると「トートバッグ」という言葉が差す範囲が広がって、持ち手が2本ついたバッグ全般を指すようになったことも添えておきます。たとえば多くの人がエコバッグと呼ぶような2ハンドルのバッグも「トートバッグ」。キャンバス地ではなく、ラフィアやレザーなどで作られているとしても、フラップ(蓋)がなく口が大きく開いていて、持ち手が2本ついていれば「トートバッグ」です。
【トートバッグの雑学】
アメリカ VS ブリティッシュ、2大トラッド別に「トートバッグ」の名品をピックアップ!
#L.L.Bean
「トラッド」スタイルを完成させるのに欠かせない《エル・エル・ビーン》の「トートバッグ(正式名称:ボート&トート)」ですが、近年のアウトドアカジュアルブームに押され、人気に拍車がかかっています。生成りのボディに赤やブルー、グリーンのハンドルがついたベーシックなタイプがよく知られていますが、近年は写真のようなワントーンカラータイプ、ほかにも迷彩柄やボーダー柄などもお目見え。2個目の「トートバッグ」として指名買いするFUDGE GIRLも増えているようです。またイニシャルを刺繍してのもらえるサービス”モノグラム”も《エル・エル・ビーン》の「トートバッグ」が愛される理由のひとつ。まだ持っていないという人は自分だけのオリジナルのひとつをオーダーして、ぜひその「トラッド」感、丈夫さ、お洒落さを堪能してみてください。
出典:次に指名したいのは、《エル・エル・ビーン》の定番トートバッグの中でもシックな、ホワイト&ブラック【FUDGE GIRLのためのアクセサリークリップス】
#エルベ・シャプリエ
パリジェンヌが愛する《Hervé Chapelier(エルベ・シャプリエ)》の舟形トートバッグもFUDGE GIRLにはファンの多いトートバッグです。1990年代に国内でフレンチカジュアルブームが巻き起こった際に、《エルベ・シャプリエ》ナイロン製のトートバッグがたくさんのメディアで紹介され、人気になりました。ちなみにはじめてトートバッグではありませんが、国内で《エルベ・シャプリエ》のバッグを販売したのは、《BEAMS(ビームス)》で、それが1980年代中頃だと言われています。こちらはフランス製らしく、ニュアンスカラー含めエレガントなカラーバリエーションが豊富で、少し光沢があるのが特徴的です。最近ではナイロンとレザーを組み合わせたタイプや、写真のようなコーティングキャンバス×コットン、ヴィーガンレザーを使ったバッグなども展開しています。
出典:パプリカレッドがいつだって私に元気をくれる《エルベシャプリエ》のトートバッグ【FUDGE GIRLのためのアクセサリークリップス】
監修:朝日 真(あさひ しん)
文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。
illustration_Sakai Maori
edit&text_Koba.A
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