FASHION

《Longchamp(ロンシャン)》が、新進気鋭の陶芸家でフランス人アーティストであるコンスタンタン・リアンと組んで、現代のパリジェンヌ気分を味わえる体験型ポップアップ「PARISIAN ARTISANS」が、世界10都市を巡り、そのフィナーレとして、いよいよ日本に上陸!東京・代官山で7月13日(日)まで開催中です。合わせて発表されたカプセルコレクション、「Longchamp × Constantin(ロンシャン × コンスタンタン)」を公式オンラインストア、および「ロンシャン ラ メゾン表参道」「ロンシャン ラ メゾン銀座」を皮切りに、全国の店舗に展開しています。※一部店舗を除く

 

代官山T-SITE GARDEN GALLERYで開催中のポップアップ「PARISIAN ARTISANS」。ピエール・エルメ・パリのヴィノエワズリーとドリンクを楽しめるブーランジェリー=パン屋や、オールグッドフラワーズが特別にセレクトしたブーケが並ぶフルリスト=花屋がオープン。限定の「クロワッサン トワルドジュイ」の販売や、アイスクリームのプレゼントも!

今回、このポップアップ「PARISIAN ARTISANS」の開催に合わせて来日した、創業家三代目クリエイティブ・ディレクターのソフィ・ドゥラフォンテーヌと新進気鋭のアーティスト、コンスタンタン・リアンへのインタビューが実現。コラボレーションやポップアップに対する思い、FUDGE GIRLへのメッセージを聞きました。パリジェンヌ、パリジャンであるふたりの日常にも迫ります。

 

ロンシャンと若い世代のアルチザンの共鳴

—まずソフィさんはコンスタンタンさんの作品について、コンスタンタンさんは《ロンシャン》のコレクションについて、それぞれ持っていたイメージや魅力を教えてください。

ソフィ:コンスタンタンはもともと娘の友人です。彼の作品のことはよく知っていましたし、アルチザンとしての成長を見守り続けてきました。彼の作品にはいつも物語があるんです。例えばパリジェンヌ、パリジャンの日常、彼らの暮らしの中に潜む美しさといったものを非常に器用に描き出すんです。その作風は《ロンシャン》とシンクロする部分も多く、惹かれています。

コンスタンタン:《ロンシャン》のコレクションはとても、”パリジャン(パリらしい)”!クリエイティブで、サヴォアフェール、そしてアール・ド・ヴィーヴル(高い意識を持って日々を暮らそうというパリに根付くマインドセットのこと)に心を砕いている印象です。どのコレクションも熟練のアルチザン=職人の手仕事によるもので、細かい部分の仕上げにまで手を抜きません。それゆえの上質さはのソフィの「ロンシャンはアルチザンである」という信念の証なのだと、いつのシーズンのコレクションにも感動させられます。

 

—今回、コンスタンタンさんを始め、《ロンシャン》が次世代のアルチザンとコラボレーションをするきっかけ、理由を教えてください。

ソフィ:コンスタンタンはもちろんのこと、《ロンシャン》で働く若いアルチザンと話をしていると、いつも私にはない視点を持つことを教えてもらいます。彼らがどう考え、どう映画を見て、どう音楽を聞き、どう旅をするのか……そういったことを知るたび、私は感化され、新しいアイデアが生まれることがあります。

そのお返しに、私からも経験してきたこと、ノウハウなどを彼らに伝えているので、彼らにとってもそれが刺激になることもあるようです。クリエイティブの未来のためにも、そういったポジティブな対話は継続的にする必要があると思っていて、コラボレーションはその一環と言えます。

 

—今回の象徴的なコラボレーションは、ショーウィンドウなどパリの街中が着想源になっていて、アルチザンへのこだわりを感じます。ソフィさんの思う、パリのアルチザンとは?

ソフィ:パリのアルチザンは伝統的で専門性が高く、それぞれに独自の世界観を守り続けています。すばらしいのは、それでいて新しい風を取り入れることにも意欲を持っているということ。それが、サヴォアフェール=匠の技が錆付くことなく、継承されていくことに繋がるとわかっているからです。

 

《ロンシャン》にとっても新鮮だった、コントラストがきいたカプセルコレクション

コンスタンタンが敬愛するパリのアルチザン、パン屋、革製品専門店、花屋、本屋、額装専門店……などを9つ描いたスカーフ

—今回のコレクションは、ブルーとホワイトが使われていますね。

コンスタンタン:ブルーと白の組み合わせは、はっきりと美しさが浮き彫りになるような、視認性の高さがあるところが好きで、ふだん陶磁器に絵付けをするときにもよく使う色合わせなんです。ブルーの中でも、特に、この深いブルーが大好き。フランス語で”サブマリンブルー”と言うのですが、サブマリン=潜水艦という名の通り、深い海を思わせる色で、これからの季節は特に心地のいい色です。

ソフィ:私は”コンスタンタン・ブルー”と呼んでいるけれど(笑)。《ロンシャン》では、ここまで濃度の深い色、強いコントラストをテーマにしたことはありません。そういう意味でも、チャレンジングでフレッシュなコレクションになっています。

 

ベーカリーの職人技を称え、焼きたてのトーストの魅力を遊び心たっぷりに表現したバッグ

—ラインナップへのこだわりを教えてください。

ソフィ:コンスタンタンがパリの街並みを9つの絵で表現してくれたので、それを起点にして、《ロンシャン》の誇りである、レザー、あるいはバッグとのマリアージュを試みました。その絵を全面に採用したスカーフは、パリを身近に感じられる美しい作品です。カフェでオーダーするようなよく焼けたトーストの形をしたバッグや、アルチザンの作業着にインスパイアされた道具箱風のバッグなんてものもあるんですよ!

コンスタンタンがデザインしてくれた、新しいエンブレムをあしらったので、「ル プリアージュ®」や、ジャケット、ジャンプスーツといった新鮮なアイテムも。セラミック=陶磁器を思わせるビーズをあしらったバッグは、「可愛い」と好評です。

 

日曜日のパリジェンヌはこんな風。ポップアップではパリにいるような気分に浸って

 

—開催中のポップアップストアの見どころを教えてください。

ソフィ:ブーランジェリーでは焼き立てのクロワッサンとコーヒーを買って、フラワーショップでブーケを作ってもらって……というふうに、パリの日常を体感しながら、バッグやスカーフを手に取ることができます。

これはまさにパリジェンヌやパリジャンの日常。私自身、毎週日曜日、近所のフラワーショップでフレッシュなフラワーブーケを買い、日用品を買って、近所のカフェで友人と待ち合わせをしてコーヒーを飲むんです。そうした、何でもないようなことがいちばんの幸せであることを感じてもらえたらうれしいです。

コンスタンタン:僕の場合は土曜日につい夜更かしをしがちだから、日曜日のスタートは午後になってしまうんだけれど(笑)。でも一杯のコーヒーを飲んでリフレッシュするところから始めます。特別なことをするわけじゃないけれど、平日より、少しスローダウン。ゆっくりカフェに行ったり、小さな映画館で古い映画を観たりしています。ポップアップでは、そんなイメージでスローダウンして過ごしてみてはがいかが?

 

自分に似合うものを知って、自分らしくいることを大切にして

コンスタンタンが新たにデザインしたエンブレムが配された、トートバッグ。革職人に欠かせない道具、創業当時の革巻きパイプ、アイコニックなバッグ「ル ブリアージュ®」、針と糸、旅を想起させる飛行機や船といったロンシャンの歴史を物語るアイテムが描かれている。

–パリジェンヌの普遍的で気に入ったものを長く愛用するというポリシーはリスペクトに値します。おふたりにもずっと変わらずに愛用しているアイテムはありますか?

ソフィ:私は、《ロンシャン》のものばかり!昔のコレクションも大切に使い続けています。今回の来日中は、ずっと、”コンスタンタンブルー”の「ロンシャン x コンスタンタン」のトートバッグを手放しませんでした。

コンスタンタン:《エドウィン》のデニムをずっと履いています。きれいなインディゴブルーのワイドシルエットがお気に入り。日本製のデニムは本当に上質でタフですばらしいです。特に奇をてらったところがなく、長年履いても古びない。とても気に入っています。

 

 

—パリジェンヌ、パリジャンであるお二人なりの、ファッションを楽しむ秘訣を教えてください。

ソフィ:トレンドにあまり振り回されすぎず、自分らしくいることをとても大切にしています。比較的、シンプル、ベーシックなよそおいばかりで、時折、色で遊ぶくらい。読者の皆さんも、何より自分のスタイルに自信を持って!そうすると、ファッションをますます楽しめるようになるはずです。

コンスタンタン:自分に合う、しっくりくるものを探すことが大事だなと常に思っています。”マイベーシック”が見つかれば、安心できるし、自信につながる。それを足がかりにして、時折、冒険したりするとお洒落はもっと楽しくなるんじゃないでしょうか。

 

リアルなのに感度が高い。世界で他に類を見ないほど、日本の女の子はおしゃれ

—パリが大好きで、パリジェンヌに憧れを抱くFUDGE読者にメッセージをお願いします!

ソフィ:30年ほど前から、頻繁に日本を訪れていますが、その度に、日本人の女の子、男の子のファッションのお洒落さにインスピレーションをもらっているんですよ。リアルなのにファッション感度が高い人、オーセンティックなのに革新的な人……街中にファッションに手を抜かない人が溢れているのは、日本ぐらいだなぁと感心させられます。それは私だけに限ったことではなく、世界中のファッションを仕事にする人、あるいはファッションが好きな人々が口にしていることです。ですから、ぜひ堂々と自分らしくあってください。そして、そんな素敵なよそおいのまま、パリにも時折、遊びに来てくださいね。

 

体験型ポップアップ「PARISIAN ARTISANS」

期間:開催中〜2025年7月13日(日)
会場:代官山 T-SITE GARDEN GALLERY
住所:東京都渋谷区猿楽町16-15
営業時間:11:00〜20:00
※予約不要、入場無料、キャッシュレス決済のみ
WEB:https://www.longchamp.com

 

interview & text_Koba.A

 

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