CULTURE & LIFE

【緑黄色社会】写真左から小林壱誓(Gt.)・長屋晴子(Vo./Gt.)・穴見真吾(Ba.)・peppe(key.)

映画と『FUDGE』のコラボレーションを記念したWEB限定インタビュー
vol.2 主題歌&挿入歌|緑黄色社会

発売中の『FUDGE』4月号では、100年前のパリを舞台に、夢を追いかける少女たちの物語を描いた劇場アニメ『パリに咲くエトワール』を大特集しています。

伸びやかで力強い歌声と、ジャンルに縛られない多彩なバンドサウンド。結成14年目を迎えた4ピースバンド・緑黄色社会が、劇場アニメ『パリに咲くエトワール』のために主題歌「風に乗る」と挿入歌「étoile」を書き下ろしました。物語の舞台は、芸術が開花した20世紀初頭のパリ。“女性はこうあるべき”という抑圧の中で画家を夢見るフジコと、薙刀(ナギナタ)の名手でありながらバレエに心惹かれる千鶴が、困難を乗り越えそれぞれの夢に手を伸ばします。異国の地で夢を追いかける少女たちを羽ばたかせる緑黄色社会の音楽。「少女たちの歩みはバンドの軌跡と重なる」という彼女たちに、その胸のうちと楽曲に込めた思いを聞きました。

 

主題歌「風に乗る」は100年前のパリのクラシックな光景が浮かぶ

 

――制作にあたっては穴見さんの曲が先、その後、長屋さんが歌詞をのせたそうですね。初めて曲を聴いたとき、どう思いましたか?

長屋晴子(Vo./Gt.)「真吾の作品の捉え方が素敵だなと思いました。10代の少女らしい知らない世界への高揚感やバレエ音楽の重厚感、100年前のパリを思わせるレトロな雰囲気。真吾の視点で多角的に切り取った要素が散りばめられていて、ワクワクしました」

穴見真吾(Ba.)「実家がバレエ教室を営んでいたので、3歳から高校生まで僕もバレエを踊っていたんです。主題歌『風に乗る』には、当時よく踊っていた曲のオマージュや3拍子への変調など明確にバレエらしい要素を入れました。パリは都会で、ドライな部分も実際はあるんだろうけど、作品の描写のように人情味あふれる街という印象の方が僕の中では大きかった。それと同じものを”シャンソン”にも感じていて。鳴っている楽器の編成がいい意味で狭いというか。カフェで演奏しているような親近感が作品にフィットすると思って、シャンソンのコードも参考にしました」

――peppeさんは、実際にパリに行ったときの情景を挿入歌「étoile」に反映させたそうですね。

peppe(key.)「建物の均衡さと空の広さが印象に残っています。ルーヴル美術館もセーヌ川もチュイルリー公園も思っていたよりも広くて、実面積よりも街が雄大。視界と心が同時に解放されるような経験を『étoile』に映しました。作中では、パサージュの作画がとても美しくて心を奪われましたね。日常をあんなに細かく切り取れるんだって。楽曲では、そんな繊細さも表現したいと思いました」

 

バレエに憧れる千鶴より、主題歌にはバレエの要素も盛り込まれている

挿入歌「étoile」はパリの印象的な光景が着想源となり表現された

 

――長屋さんは、本作のどんな部分から”風”というワードを導きましたか? 気持ちよさや強さや包容力など、風の在り方とフジコや千鶴の姿が重なりました。

長屋「作中で鳥や妖精が飛ぶ描写と空や風の壮大さがつながり、フジコと千鶴が風のように自由にいられたらと思って。私はとくに主人公のフジコに共感したんです。例えば彼女が、好きで始めたはずの絵画に対して”何を描いたらいいのかわからない”と苦しむシーン。私も、どんな音楽を作りたいのか、何を歌いたいのかがわからなくなってしまうことが時にはあるので、フジコの気持ちがすごくわかります。でもそれって、確実に答えが出るものではないですよね。彼女は正解を見つけるための旅を続けるのだろうし、その旅の中に楽しさを見出せるようになったときが分岐点なんだと思う。フジコのこれからを想像しながら、自分たちのことを重ねました」

小林壱誓(Gt.)「バンドの軌跡とまさに重なるというか。僕らも高校生のときにバンドを組んで、音楽理論も知らないところから曲を作り始めました。今も自分たちよりも優れた、しかも強度のある理論に基づいた曲づくりをする人があふれる環境で、自分たちの表現をどう広げるべきか、オリジナリティはどこにあるのかを模索し続けてきた13年間だから。自分たちと同じだと思いながら映画を観ていました」

 

劇場アニメ『パリに咲くエトワール』主人公・画家を夢見るフジコ

 

――結成14年目。バンドの揺るがない部分が確立している一方で、壁もあるのだと想像します。

長屋「あります、あります」

穴見「壁しかないよね(笑)」

長屋「でも、壁にはぶち当たるしかないのかな、とも思っています。完璧に受け入れられなくても、無理に抜け出そうとしなくていいと思えた瞬間があったんですよね」

小林「僕らは全員が曲を書くので、それぞれの生みの苦しみみたいなものは尊重し合えていると思うんです。でも、長屋の歌に対する悩みは吐露されたことがなくて。それをどうしているのか、本人にちょっと聞きたいですね」

長屋「質問された(笑)。うーん、そうですね。アイデンティティについては一生のテーマです。自分にしか表現できない歌ってなんだろうって。でも、いつもメンバーが課題を投げかけてくれるので、その度に自分らしさを探すきっかけをもらえている気がします。もし全部の曲を自分でつくって歌っていたら、自分の範疇に収まる歌になっていた可能性が大きいけれど、私にはない素養から曲や要素を持ってきてくれる。例えば、ラップやシャウトっぽい曲に挑戦する機会があったり。日々自分の歌に向き合わされる13年間でした。受動的な部分もあるんですけど、それが自分には合っていると実感しています」

 

 

ーーみなさんの普段のファッションについてもお伺いしたいです!愛用している、あるいは、お守りのようなアイテムはありますか。

長屋「私は帽子ですね。学生の頃からすごく好きなんです。シルエットもジャンルもさまざまで飽きないし、なんか決まらないっていう日に帽子が助けになるから。布1枚、頭を覆っているというのも安心する

穴見「僕は8年くらい愛用しているモッズコートです。30個くらい缶バッチをつけていて、着るとブチ上がる。これを着て東京を歩く、というのを名古屋に住んでいたときから妄想していました。インナーの毛皮は取り外しができるので、夏以外は着ています」

peppe「まさにお守りとして身につけているのが、ティファニーのノットシリーズのリング。名前の通り”結び目”がデザインに落とし込まれているんですが、それがしめ縄みたいで神社のような神聖さがあって。私、神社巡りが趣味なんです。ピンクが好きなので、ローズゴールドを選びました。すっぴんで外に出るときでも、このリングだけはつけておきたいなって思っています」

小林「僕はとにかくでかい靴ですね。ちょっと待っててください!(と言いながら控え室へ靴を取りに行ってくれる小林さん) 」

長屋「壱誓の靴、本当にでっかいですよ(笑)。私、よく踏んじゃうんです」

小林「お待たせしました!こういう靴ばかりなんです。ガタイがいいから、下に重さがあるとまとまるんですよね。地面と接地しているのは靴だけ。つねに大地を感じていたいんですよね……厚底だから大地からけっこう離れちゃってますけど(笑)。でも、視線が向くから一歩一歩を意識できるのは確かです」

――音楽とファッションは影響し合うと思いますか。

長屋「相互作用しかないと思います。ファッションにも音楽にも”ジャンル”という言葉があって、このジャンルの音楽が好きな人はこのジャンルの服装をするみたいな結びつきも一部では存在しますよね。いずれも”好きだから”という動機のほかに、”こうなりたい”という指標のようなものがあると私は思うんです。衣装も私服も自分らしさがありつつも、”こう見せたい”という想いも含んでいます。内面がまだ追いついていなくても、外側から変えていくことはできる。それがパフォーマンスの力になると思っています」

 

 

――それでは最後に、映画をこれから観る方へ一言お願いします!

穴見「令和の踊りは、一般的にはきっとヒップホップやコンテンポラリーダンスがキャッチーに映っているはず。バレエをやっていた立場からすると、バレエって本当に手間暇がかかる芸術なんです。バレエっぽくなるまでに10年かかったりもする。タイパ、コスパと言われる時代に、それとは真逆のテーマを選んだところが僕は面白いと思いました。人間の成長ってそんなに早くはないし、地道でいい。バレエを経験していなくても、この作品を通して人間の本質的な部分に出会えるんじゃないかなと思います」

長屋「私たちの音楽で夢を抱くみなさんの背中を押せたらいいなと思います。でも夢がある人もいると思うけど、夢を探す途中の人もいると思うんです。むしろ明確な夢がある人の方が少ないんじゃないかな。夢がある人は自由に羽ばたいてほしいし、夢がないことには焦らないでほしい。肩の力を抜いて、風に乗るように進んでいけたらいいなと思います」

 

PROFILE

緑黄色社会
長屋晴子(Vo./Gt.)・小林壱誓(Gt.)・peppe(Key.)・穴見真吾(Ba.)の4人からなる。愛称は”リョクシャカ”。愛知県出身で、高校の同級生(長屋・小林・peppe)と、小林の幼馴染・穴見によって2012年結成。「Mela!」(2020)がストリーミング再生数5億回、「花になって」(2023)が2億回を突破するなど話題曲をコンスタントに発表。2022年に初の日本武道館公演、2023年~2024年にアリーナツアーを開催、2025年には初のアジアツアーを成功させるなど躍進を続けている。長屋の透明かつ力強い歌声と、個性・ルーツの異なるメンバー全員が作曲に携わることにより生まれる楽曲のカラーバリエーション、ポップセンスにより、同世代の支持を多く集める。

 

model_Ryokuoushokushakai (Nagaya Haruko, Kobayashi Issei, peppe, Anami Shingo)
photograph_Taniguchi Daisuke
styling_Mitsuzono Masaaki (UM)
hair&make-up_carrie
interview & text_Fujii Sonoko
edit_Oguchi Eiko

 

『FUDGE』4月号は『パリに咲くエトワール』大特集!表紙はスペシャルな描き下ろし

3月12日発売の”スペシャル”な『FUDGE』4月号は、100年前のパリを舞台に、夢を追いかけた少女たちの物語『パリに咲くエトワール』を大特集。

表紙は『FUDGE』だけの完全オリジナルの描き下ろし。イラストを手がけているのは、本作のキャラクター原案を務める近藤勝也さん。イラストを手がけているのは、スタジオジブリ作品『魔女の宅急便』や『崖の上のポニョ』などで多くの人に愛されるキャラクターを生み出してきた、本作のキャラクター原案を務める近藤勝也さん。『FUDGE』と映画を繋ぐようなパリの世界観を詰め込んだ唯一無二なイラストになっています。

『FUDGE.jp』では、『パリに咲くエトワール』のインタビュー記事やプレゼントキャンペーン企画を展開予定。関連記事は以下URLにまとめていきますので、ぜひ一緒に読んでくださいね。

▶︎『パリに咲くエトワール』記事一覧はこちら

 

劇場アニメ『パリに咲くエトワール』ってどんな作品?

©「パリに咲くエトワール」製作委員会

20世紀初頭のパリ。幼い頃に横浜で出会った2人の日本人の少女・フジコと千鶴は、時を経てパリで運命的な再会を果たします。将来よき妻になることを望まれながら画家を志すフジコと、ナギナタの名手ながらバレエに魅了された千鶴。異国の空の下、東洋人、そして女性であることで時に困難にぶつかりながらも、それぞれの夢に向かって進んでいきます。

 

劇場アニメ『パリに咲くエトワール』

監督:谷口悟朗
脚本:吉田玲子
キャラクター原案:近藤勝也
キャスト:當真あみ、嵐莉菜、早乙女太一、門脇麦、尾上松也、角田晃広、津田健次郎
主題歌:「風に乗る」緑黄色社会(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:松竹

2026年3月13日(金) 全国公開

 

関連記事:當真あみ&嵐莉菜にインタビュー!夢を追い続ける2人が演技で大切にしていること、普段のファッションのこだわりは?|劇場アニメ『パリに咲くエトワール』×『FUDGE』SPECIAL INTERVIEW 01

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