CULTURE & LIFE
パリの中心をお散歩していると、古くて魅力的な文字に出会います。
Hôtel Caron de Beaumarcheのエントランスにある18世紀の貴重なピアノ。
木製のピアノに「Sébastien Érard à Paris 1792」と、ゴシック体で書かれています。その周りのアラベスクはピアノをより豪華にしてくれています。
セバスチャン・エラール(Sébastien Érard、1752年4月5日 – 1831年8月5日)は、フランスのピアノ製造技師であり、ピアノメーカー、エラール社の創始者。
春になると壁一面に藤の花が咲き乱れ、紫のテーブルと椅子とが絵になるカフェ、レストラン。
こちらの書体はロンバルド体、ヴェルサル体、トゥールネール体などとフランスで呼ばれています。
こちらのプチレストランに書かれているのはブール体です。筆を押し付けて書く珍しい文字。
ドーム型のアパルトマンのエントランスにはA la Renaissanceの可愛いアールヌーボー文字。
アールヌーボー文字は1900年頃に建築家のペーター・ベーレンスがデザインした文字です。
当時の美術運動から、それまでのクラシックな文字からの脱却を試みて生まれました。
パリで有名なパッサージュ、ギャラリー ヴィヴィエンヌにはビストロがあります。この看板の文字は17世紀にフランスで生まれた文字、バタルド体です。
小さいロンド体とイラストが描かれた珍しい看板です。
黒と水色とゴールドの枠の組み合わせが素敵なカフェ。ローマンキャピタル大とロンド大が描かれています。
サン ルイ島にある教会に面している通りの名前が刻まれています。
18世紀に彫られた文字と、時間が経過した石の色が魅力です。
最後にロマンティックな雰囲気のレストラン、Lapérouse. こちらのロゴはカリグラフィーというよりどなたかの手書き文字という感じです。
この建物はルイ14世の時代の終わり頃、ある伯爵の邸宅でした。その後1850年、ジュール ラペルーズが所有者になり小さな個室を絵画(文学、愛、旅行)や鏡で装飾しました。
パリ中で人気になったこのレストランには、モーパッサン、ミュッセ、ゾラ、ユーゴー、バルザック、オーフェンバック、クレマンソー、ロダン、サラ ベルナールなどの顧客がいました。その他の客は愛人や高級娼婦を連れて、彼らが愛人に渡した宝石が本物であることを確認するために貴重な石でレストランの鏡を引っ掻きました。今でもその跡は日付けとメッセージと共に保存されているようです。
このようなストーリーは文字と共に、古き良き時代のパリを語ってくれているようです。
text:竹内 仁海
パリ在住8年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。
Instagram:@melodiesgraphiques
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