そろそろアウターの出番？《ミルクフェド》のボアベストやキルティングジャケット５選

クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第75回目のテーマは「2022年最新 夏のホラー映画」です。

Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

今年の7月はアツいです。インパクト大なホラー映画3作品が出揃いました！
映画好きで、もはや知らない人はいないヒットメーカー「A24」が贈る、真夏のエクストリーム・ライドホラー『X エックス』、容赦ないゴア描写で世界のジャンル系映画祭を席巻した『哭悲／THE SADNESS』、“海上遭難 × サメ”という定番テーマながらもどこか新しいサメホラー『海上48hours ―悪夢のバカンス―』。
この「2022年最新・夏のホラー映画」たち、早くも夏本番な今年の猛暑のクールダウンにもってこいですよ。

史上最高齢の殺人鬼夫婦が迫る恐怖。途中下車不可能な真夏のエクストリームライド・ホラー！

©2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.

title：『X エックス』

【story】
1979年、アメリカ・テキサス州。女優のマキシーンを含む3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かった。そんな彼らを待ち受けていたのは、みすぼらしい老人のハワード、そしてどこか不気味な雰囲気を漂わせる妻のパールだった。
そう、彼らが足を踏み入れたのは、史上最高齢の殺人鬼夫婦が棲む家だったのだ……。

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“映画の最もヤバい要素が全て詰め込まれた、途中下車不可能な真夏のエクストリームライド・ホラー”とも謳われる本作はオープニングから飛ばしまくり！ 耳障りな虫の鳴き声、夏のうだるような蒸し暑さと血の匂いがスクリーンからほとばしり、いつどこで何が起きてもおかしくない恐怖感を煽ってきます。
マンゴ・ジェリーの『In The Summertime』のような晴れやかな音楽が流れていたと思えば、ふと気づくと無音の世界に。静と動のコントラストが、目を覆いたくなるようなショッキングな映像の不気味さを際立たせます。
また、細部に至るまで作り込まれた70年代のテキサスの雰囲気にも注目です。道端のコンビニに売られているビールの銘柄までも当時のものが再現されており、物語のリアリティをグッと高めています。本作はすでに三部作となることが発表されており、パート2では前日譚が描かれる予定。『へレディタリー／継承』や『ミッドサマー』を観たA24ファンの方には必見の一本となりそうです！

二度と見たくない地獄、それはこの映画のことです。

©2021 Machi Xcelsior Studios Ltd. All Rights Reserved.

title：『哭悲／THE SADNESS』

【story】
“アルヴィン”と名付けられた謎のウイルスと長い間戦い続けてきた台湾。ある日、ウイルスが突然変異し、人の脳に作用して凶暴性が著しく高まる疫病が発生。感染者たちは罪悪感に涙を流しながらも、衝動を抑えられず思いつく限りの残虐な行為をはたらくようになり、街は殺人と拷問で溢れかえってしまう。そんな暴力に支配された世界で離ればなれとなり、生きて再会を果たそうとするカップル、カイティンとジュンジョーの運命は……。

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最初にお伝えしておきたいのですが、この映画、それなりの覚悟をもってご鑑賞ください……。
ホラー映画に不慣れな方にはかなりの衝撃の、トラウマ級ゴア描写のオンパレードです。開始わずか15分でボルテージはマックスへと上昇、エンディングまで息つく暇が全くありません。「いわゆるゾンビ映画なのかな？ 」と思って鑑賞すると、奈落の底へ突き落とされますのでご注意を。ほんの些細なきっかけで、平和な日常が地獄へと様変わりしてしまう。パンデミックを経験した現代人にとって、そこまで遠くないテーマの作品だと思います。
また本作は本国公開以降、米映画レビューサイト・Rotten Tomatoesのスコアも95%フレッシュ（肯定的）と、高い評価で推移し続けているそうで、世界中の映画祭で話題となった理由も納得です。

友人と浮気、遭難、サメの攻撃！ ハメを外しすぎるとロクなことがありませんよね。

© Vitality Jetski Limited 2021

title：『海上48hours ―悪夢のバカンス―』

【story】
アメリカの大学生が最も羽目を外す春休み“スプリングブレイク”に、メキシコのビーチでバカンスを楽しむ大学生5人組。酔っぱらった勢いにまかせて無断で水上バイクを乗り回す彼らだったが、衝突事故を起こしてしまい、壊れたバイクで遥か海上沖を漂うことに……。回避不可能な危機的状況の数々、そして獰猛なホホジロザメが彼らを襲う！ 2日間の“恋と友情のバカンス”は、“サメと裏切りのサバイバル”へと化していく……。

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夏といえばサメ映画！ 近年日本にはサメ映画ブームが続いていますが、今年もフレッシュな新作が公開となるようです。
機械化されたサメや、やたらと巨大なサメなど、サメホラー映画ではさまざまな恐怖のサメたちが登場します。ですが本作のサメはとてもリアル。変に誇張していないところが逆に怖いんです。不幸なハプニングが立て続けに起き、逃れることのできない絶望的な状況が恐怖を上塗りしてきます。戦う武器もなく、身を守る防具もないどころか身に纏っているのは小さなビキニと海パンのみ。サメに喰われるのが先か、脱水症状で息絶えるのが先か。48時間の悲劇を男女関係のもつれと共にサンペンスフルに描いた本作は、夏の恒例サメ映画の新たな一本になりうるはずです。

映画館で観られる新作ホラー3本を紹介しました。
怪談話は日本の夏の風物詩。ホラー映画も夏公開の作品が多いです。夏に怖いものを見るという風習は江戸時代に生まれた日本の独自文化だそうで、400年も前に生まれた文化が今も続いているなんてすごいことですよね。ホラーを見て涼む、という昔からの知恵を活かして、今年の夏はエアコンの効いた快適な映画館でひんやり、どっきり、ゾクっと、ホラー映画でクールダウンしましょう！

『海上48hours ―悪夢のバカンス―』

text :ユーコン(Do it Theater)

前職は外資系映画会社にて映画・海外ドラマなどのコーディネート業務。最近の趣味は映画をテーマにした料理。好きなジャンルはマンブルコア、SF、アメリカ80年代モノ。公開中のショットガン・ラブストーリー映画『アフター・エブリシング』が超気になっています。

●Do it Theater（ドゥイット・シアター）
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース＆クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus（ホリデーサーカス）」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど５会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com

design_Koinuma Kenichi

Illustration_MARU

edit_Takehara Shizuka

そろそろアウターの出番？《ミルクフェド》のボアベストやキルティングジャケット５選