クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。
第62回目のテーマは、「年始に心を整える映画」です。

Do it Theaterの阪実莉です。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
ついに、2022年が始まりましたね。あけましておめでとうございます！今年もよろしくお願いいたします。みなさま、ゆっくり過ごせていますか？今回は「年始に心を整える映画」というテーマで『365日のシンプルライフ』『ツナグ』『旅猫リポート』の3作品をご紹介します。

今年の年始は寒波で家から出るのも億劫になりそうですね。家族と過ごしている方も、パートナーと過ごしている方も、時間はあるけれどお出かけはちょっと…という方も。家で映画を観る年始の楽しみ方も意外と良いですよ。今回は、いろいろな形で心を整えられる映画をセレクトしたので、気分に合わせて鑑賞してみてください。

 

断捨離で物も心も整える！

©Unikino 2013　画像提供：パンドラ

title：『365日のシンプルライフ』

【story】
ヘルシンキ在住26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに自分の持ち物全てをリセットし、4つのルールを課した365日の“実験”生活を決意する。さまざまな人々との関わりの中でペトリは、「自分を幸せにするとは？」「人生で大切なものは何か？」という問いに自分なりの答えを少しずつ見出していく。

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みなさま、年末に大掃除は終わりましたか？ちなみに私は仕事納めがなかなかできず、全くできていません（笑）。年末年始は、物理的な断捨離が増える時期。心新たに一年を始めるために家電を捨てたり、衣服を一掃したりするにはちょうどいいタイミングです。大掃除できていない方も、部屋を整えたい〜！と思っている方も多いのではないでしょうか。そんな時は、この作品がオススメです！本作は、ある男性の実験生活を辿っていくドキュメンタリー。その実験を遂行する上でのルールは『全所有物を倉庫に保管する』『1日に1個だけ倉庫から持ち出す』『1年間継続』『何も購入しないことを1年間続ける』の4つ。文字で見ただけだとあまりにも考えられない実験ですが、男性はこのルールを自分に課すことで、「本当に自分に必要なものは何か」という物理的な断捨離はもちろん、人生で大切なものも見つけることになります。
物を全て倉庫に預けるとなるとかなり覚悟がいる実験ですが、年末年始の断捨離とあわせて物も気持ちもリセットし、新年を有意義に過ごすのも良いかもしれませんね。

 

年始に涙でデトックス

Illustration_MARU

title：『ツナグ』

【story】
死者との再会を仲介する能力者「ツナグ」の役割を祖母から引き継いだ高校生の青年・歩美。そんな能力に頼って、死者との再会を望む理由を抱えた依頼人が次々に歩美の前に現れる。しかし、彼らの願いを叶えるうちに歩美は、依頼人にとって死者との再会が“救い”になるのか、人生は変わるのか、次第に自分の行いに疑問を抱く。

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第32回吉川英治文学新人賞に輝いた、辻村深月さんの小説を実写化したファンタジードラマ。監督はドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』『JIN 仁』『天皇の料理番』などを手掛ける平川雄一朗監督。
公開時、試写会にハガキを送って観た思い出の作品で、事前情報0で観に行ったのですが、感情移入するあまり、嗚咽が出るくらい泣いてしまった忘れられない作品です。
死んだ人に1度会えるというファンタジー設定ですが、本作の見所は平川監督の精妙な演出とキャストたちの迫真の演技。作品全体がベールで包まれているような、どこか浮世離れした美しさがあり、且つファンタジーなシーンに違和感がない、絶妙なバランスが素晴らしい作品です。
祖母役の樹木希林さんはもちろん、若き松坂桃李さんのお芝居が素晴らしく、松坂桃李さんはこの作品で、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞をとりました。
そして、本作は美しさゆえに、無条件に涙がほろほろ止まらなくなります。年末を走りきって疲れている方、すっきりデトックスしたい方、仕事を納められておらず泣きそうな方、にもオススメです！
年末年始、街中が静まったタイミングで一人でゆっくり観るのにちょうど良いかもしれません。心を整えて最高の2022年を迎えましょうね！

 

癒され気分で新年を迎える

Illustration_MARU

title：『旅猫リポート』

【story】
野良猫として誇りを持って生きてきたナナ。交通事故でケガを負った時に、猫好きの優しい青年・悟に助けられ、それ以来、悟の飼い猫となる。悟の深い愛情に包まれ、幸せな日々を送るナナだったが一緒に暮らして5年が経ったある日、悟はとある事情でナナを手放さなければならなくなってしまう。そこで悟はナナと一緒に愛車に乗り込み、新たな飼い主を探す旅に出るのだが…。

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最後は”癒される”作品をご紹介します。FUDGE読者の中にも動物好きの方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。年始は可愛さに癒されて、幸せ気分で心を整えましょうー！
本作は原作者の有川浩氏が「一生に1本しか書けない物語」と称するほど思い入れが強く、映画化するにあたり脚本開発にも参加した作品。主人公の悟を福士蒼汰さん、猫ナナの声を高畑充希さんと爽やかなお二人が演じています。お二人の人間性が表れている暖かいお芝居もさることながら、なんと言ってもこの作品の見所は、猫ナナの可愛さです。そんなところ歩けるの？どうやってお話ししているの？と終始癒されっぱなし。ナナを演じている猫のトム君はセルカークレックスという珍しい種類で、巻き毛と丸顔が特徴で気の抜けるような可愛らしさがたまりません。
また、ナナとの旅で出会う美しい景色や、コトリンゴさんによる劇伴音楽も相まって癒され度MAX。有川さん原作ならではの、温かくて優しい作品です。
本作は広い年齢層で楽しめる作品なので、親戚の集まりで子供たちと観るのも良いかもしれませんね。
2022年の始まりを、幸せな気分で物腰柔らかに過ごせそうな気がします（笑）。

 

今回は「年始に心を整える映画」というテーマで、断捨離して物も心も整える映画『365日のシンプルライフ』、涙でデトックスできる映画『ツナグ』、癒され気分で新年迎えられる映画『旅猫リポート』のタイプがそれぞれ異なる3作品をご紹介しました。「整える」というと様々な方法があります。心は映画で整えて、体はその後サウナで！というのも良いかもしれませんね。
師走、本当にお疲れ様でした。身も心も整えて、2022年も張り切って参りましょう！
3つ全て配信サービスで観ることができるので、年始のお祝いムードに疲れたかも？と思ったタイミングでぜひ観てみてください。

 

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