フェムテックとは

フェムテック（Fem Tech）とは、Female（女性）・Technology（テクノロジー）の略語で、現代のテクノロジーを駆使して、女性の健康にまつわる課題を解決するためのサービスやプロダクトのこと。近年、海外での市場が急速に拡大し、日本でも盛り上がりを見せてきている。

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パンデミックによる日常生活の変化の影響を受け、日本人女性のセックス頻度の減少と性欲の低下が新たな問題となっていることをご存知ですか？ 性欲は、食欲・睡眠欲と並んで三大欲求のひとつ。さまざまな要因が複雑に絡み合ってこれまで公に語られてこなかった話ですが、本来、心身の健康を語るうえでは絶対に無視できない重要なファクター。セックスを語らずして、健康を語ることなかれ。自分の身体を愛して、解放し、守るために。いまこそまっすぐに性と向き合いましょう。

 

教えてくれたのは…

産婦人科医、美容婦人科医 山村菜実先生

産婦人科医、美容婦人科医、美容 皮膚科医。2019年に東京美容クリニック青山本院の院長、2022年に同クリニック理事長に就任。日本産科婦人科学会専門医、日本美容皮膚科学会正会員、抗加齢医学会専門医。膣の緩み、尿失禁、性における不感症、うるおいの低下、ニオイなど、デリケートゾーンに悩む女性に親身に寄り添った丁寧な診療を行なう。 東京美容クリニック https://tbc.clinic

植物療法士 森田敦子さん

サンルイ・インターナッショナル、Wa phyto代表。パリ13大学で植物薬 理学・性科学を学び、帰国後は介 護や産前産後の現場で尽力。〈アンティーム オーガニック〉処方・開発、〈ルボア フィトテラピースクール〉主宰、トータルライフケアブランド〈Waphyto〉創設、フェムテック・ウェルネスメディア〈WOMB LABO〉主宰など、日本のフィトテラピー、フェムケアの第一人者。著書に「潤うからだ」（ワニブックス）ほか。

ラブライフアドバイザー OliviAさん

大学時代からセクシャリティの調査をはじめ、2007年より女性・カップルに性生活の総合アドバイスを行う。日本と台湾で著書出版。日本の性の専門家として「VOGUE JAPAN」でも紹介される。フェムテック、セクシャル・ウェルネス、セクシャル・プレジャーが専門分野。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」（日本文芸社）ほか。日本性科学会会員。 https://olivia-catmint.com/

 

「気持ちいいカラダ」をつくる４STEP

STEP１自分の性感帯を知り、探求する

STEP２感度を高めてうるおうカラダをつくる

STEP３ セックスの正しい知識を身につける

STEP４ 自然に湧きあがる欲求に正直になる

 

STEP③ セックスの正しい知識を身につける

女性の心と身体に数々のメリットをもたらしてくれるセックス。しかし、一方で重大なリスクがつきまとう行為でもあります。回避し予防するための知識をしっかりと身につけて、パートナーと協力のうえで慎重に行って。

［関連記事］
STEP① 自分の性感帯を知り、探究する
STEP② 感度を高めてうるおうカラダをつくる

妊娠や性病などリスクも伴う行為。正しい知識でより安全なセックスを（山村菜実先生）

「女性にとってのセックスのリスクは、望まない妊娠、性感染症、そして子宮内膜症の、大きく分けてこの3つ。子宮内膜症は、月経中にセックスすると経血が逆流して起こるとも言われています」（山村先生）。

そしてさらにもうひとつ、山村先生は女性が望まないアナルセックスについて警鐘を鳴らす。「アナルへの挿入を我慢して受け入れている女性がとても多い。お尻の穴の中に前立腺がある男性にとっては性感帯のひとつなのですが、女性の場合は身体の構造的に快感につながりにくい場所。刺激を好む人も一部にはいますが、やはり繰り返し行うことでゆるんでしまう。相手に求められても、自分が望まない行為はきっぱりと断る姿勢が大切です」（山村先生）。

[女性のセックスによるリスク]

1. 望まない妊娠
2. 性的接触による感染症
3. 子宮内膜症の可能性

 

LESSON１｜望まない妊娠を回避する避妊の新常識

「より確実なのは、ピルを飲んで、コンドームも装着する併せ技。ピルは、月経困難症にも効果があり、女性にとってメリットがとても多いホルモン剤。コンドームは、挿入時から装着するなどつけ方を誤らなければ、避妊効果だけでなく性感染症の予防にもなります」（山村先生）。

避妊失敗など万が一の事態のために、緊急避妊薬の存在も知っておきたいところです。

主な避妊法一覧

サプリで子宮内環境を整えてフェムゾーンを健やかに（山村菜実先生）

ラクトフェリンを経口摂取することで、善玉菌のラクトバチルス菌が増加。子宮内の菌バランスが整って免疫のバランスがよくなる。「子宮内フローラのためのラクトフェリン」 90粒 ¥8,100／Varinos（バリノス）
問い合わせ先：Varinos（バリノス）
問い合わせフォーム：https://varinos.com/contact/public/
Web：https://varinos.com/

LESSON２｜性感染症から身を守る

「性器同士の接触がなくても、口腔内や咽頭にうつる感染症もあります。オーラルセックスを行うときも、コンドームを使用して感染リスクを減らす努力を。ベストは、行為の前にパートナーと一緒に検査を受けておくことです」（山村先生）。

一部感染症の中には、おりものの変化など自覚症状があるものも。少しでも異常を感じたら、すぐに受診を。

［CHECK！］2022年4月からHPVワクチン接種を厚生労働省が推奨

ヒトパピローマウイルス（HPV）は、性的接触のある女性の50%以上が生涯に一度は感染する一般的なウイルス。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がん、尖形コンジローマなど多くの病気の発生に関わっています。

世界的には6割以上がHPVワクチンを接種していることもあり、日本でも厚生労働省が接種を推奨していましたが、副作用の発生頻度などを理由に、2013年に積極的推奨を一時差し控えました。その後専門家による評価で、2022年4月より小学6年〜高校1年相当の女子を対象に、再びワクチン定期接種の積極的推奨を行っています。

主な性感染症一覧

■淋菌感染症

■梅毒

■クラミジア感染症

■性器ヘルペス

■尖圭コンジローマ

■性器カンジダ症

■腟トリコモナス症

■毛ジラミ

■HIV（ヒト免疫不全ウイルス）感染症

デリケートゾーンをやさしくケアしてトラブルを予防する（山村菜実先生）

膣カンジダの増加を背景に、デリケートゾーンの不快な症状を軽減して予防。 「ピュビケア オーガニック フェミニン メディソープ ローズ&イランイラン」 220mL ¥2,530／Pubicare organic（たかくら新産業）
問い合わせ先：Pubicare organic（たかくら新産業）
問い合わせフォーム：https://shop.takakura.co.jp/contacts/new
Web：https://www.pubicare-organics.jp/

性についての正しい知識を常にアップデートしておく（OliviAさん）

OliviAさんおすすめ 性教育サイト2選

■NPO法人ピルコン
http://pilcon.org/
性の健康を学ぶコンテンツや教材、イベント情報。30歳以下の方のための無料メール相談、妊娠不安に答えるチャットボットも。

■セイシル
https://seicil.com/
性の基礎知識を気軽に学べたり、10代から募った性のモヤモヤに約50名の専門家が答えたり。TENGAヘルスケアが運営する性教育サイト。

photograph : Yuri Hanamori　hair&make-up : Yoko Yoshikawa　styling : Kaho Yamaguchi　model : Dona, Tsubasa Koike [BARK IN STYle]　edit&text : Hiroko Shirasaki　re-edit:Yuri Iwata［press lab］

（kiitos. vol.24より抜粋）

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