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07.AUG.2013

鏡の向こうとこちら側。私たちに語りかける少女。

ENTERTAINMENT
6
現代美術家 谷口真人

1

(Photo:宮島径)

アクリル板に盛り上げられた絵の具、その奥には少女の図像が隠されていて、
額縁の奥に敷かれた鏡に映り込む。
決して触れることができない、鏡に映された姿でしか見ることも叶わない少女。

 

そのイメージは、見るたびに切なさを伴う。
そして確かな存在感、生命を感じさせる力を持ってそこにある。

 

2

(Photo:宮島径)

谷口真人の作品は、私たちが存在を感じることの不思議を、問いかける。

 

鏡の中の少女と、それを現実世界に表そうと繰り返しなぞって生まれた絵の具の固まり
見たり触れたりすることが出来るかたちで表そうとすればするほど、
こわれていってしまう、もどかしさ。
そこには、存在を感じることの本質があるのではないだろうか。

 

3

(Photo:木奥恵三)

誰かが生きて存在していることを、私たちはどのように認識しているだろう。

 

例えば、昨今のSNSなどで、会ったこともない人同士が
お互いの存在にリアリティを持って生活していること。

 

アニメやマンガのキャラクターが命を持って生きているように感じること。

 

そして、よく知っている家族や友人、恋人。
もちろん目の前で笑ったり美味しそうにご飯を食べている時、リアルな存在を感じることができる。

 

しかし実は、表面では無い、何か物質に置き換えられないもの、
そうしようとするとあっという間に壊れてしまうものを、
私たちは無意識のうちに捉えているのではないだろうか。

 

4

(Photo:宮島径)

人間が存在や生命にリアリティを持つときの、
体の内から沸き上がる力の働きについて、谷口の作品は語る。

 

そんな彼の鏡の作品、最新作が東京都現代美術館 特別展「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」にて、9月8日まで公開中だ。

 

夏のひと時、彼の作品に対峙する時間は、
自分と、自分を取り巻く世界について思いを馳せる良い時間に、きっとなるに違いない。

 

・展覧会概要 http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/145/

5

〈プロフィール〉

東京都出身。現在東京を中心として活動。アニメーションによる映像インスタレーションや、透明な板の上に描かれたキャラクター的少女が鏡に裏写しされる作品等を制作。物質とイメージ、存在感といったテーマを切り口として、リアリティの本質を問う。

 

主な個展に「あのこのいる場所をさがして(2005-)」(2012年/SUNDAY)、「Summer 2011」(2011年/Lamp harajuku B1 gallery)、「アニメ」(2011年/SUNDAY ISSUE)、主なグループ展参加に「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」(2013年/東京都現代美術館)、「neoneo展part1[男 子]」(2009年/高橋コレクション日比谷)などがある。他にもファッションブランド「writtenafterwards」とのウィンドウインスタレーション(2011年/Lampharajuku window gallery)など、アートの枠組みに留まらない活動を展開している。

・作家WEBサイト

SNAP